予想以上の見ごたえ 「HEAT」 | 気ままに気軽に適当に

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ギリギリ昭和生まれが文章力アップのために始めたブログです。
徐々に成長が見られるといいんですが。

こんな時間になっちゃいましたが、27日の深夜25時ってことで。

と、ちょっと言い訳がましいところで、今回の作品は「HEAT(ヒート)」

 

1995年と、もう20年以上前の映画になります。

元々は銀行からの銃撃戦シーンの完成度の高さに興味を持っていた映画なんですが、ようやく観てみることにしまして。

いや~、思っていた以上に見ごたえがあって、なかなかずっしりとくる映画でした。

 

アル・パチーノ演じるハナ警部補と、ロバート・デ・ニーロ演じるニール。

家庭を顧みず犯罪を取り締まることに執着するプロと、自らの弱みになるとして家庭を持たず強盗に執着するプロ。

 

立場は逆なれど、似た二人が織りなすクライムサスペンス。

冒頭で発生した強盗事件、些細な一言から犯人の身元を割り出し、追い詰めにかかるハナ警部補と、刻一刻と変わっていく状況に合わせて計画をくみ上げていくニールと、その探り合いが序盤はハラハラして面白いんですが、なによりすごかったのは終盤。

 

クライムムービーだったはずが、いつしか主役の二人の心情、人間そのものに焦点が当たっていく。そこでこの映画はドラマなんだと気づかされました。

 

これまでの自分の行いを改めることを決めた側と、自分の信条を最後の最後で捨てきれなかった側と。

どこまでもこの二人は表と裏のように対比されながらも、違った道を選んでいくまでがヒシヒシと画面から伝わってきました。

 

 

実際の射撃音を使ったり、役者が射撃訓練を受ける等々、監督がリアリティにこだわった銃撃戦のシーンの見ごたえはもちろんなんですが、僕のお気に入りのシーンはニールが運転する車がトンネルをくぐるシーン。

たった数秒のシーンなんですが、ニールの心理描写と結末が一瞬にしてわかってしまうんですよね・・・。

もしもその信条を捨てきれていれば、どこか切ないところが見ていてすっごく刺さりました。

 

ちなみにヴァル・キルマー演じるクリスもいい味を出してるキャラで、彼のラストシーンも思うところが多くってよかったです。

 

 

正直見終わった段階でいうと、気軽に見やすい映画じゃなかったなーと思いますが、観てよかった。

なんで、万人にオススメはしづらいな~と。でも、興味を持ったなら観た方が絶対にいい、そんな作品だと思います。