タイトルに英語もぶちかましてみましたが、面倒なので本文は日本語だけにしときます(こんなマニア向けの記事に飛んでくる外人さんは画像だけでも理解できると思いますんで)。

で、ブゾーニはイタリア生まれのピアニスト・作曲家・編曲家・指揮者・教育家ですな。ピアノ弾きにとってはブゾーニ編のシャコンヌがとりわけ有名です。さて、ここではそのシャコンヌの編曲のコーダに出現する重厚な和音群を扱うのであります。(下図)



これを最初に見た時は、

「おめえさんそんなに手がでかいんかぃ!どうなってんでぃ!」

てな風に思ったものです(ある友人は4小節目をみて「もしかしたらブゾーニって2オクターブ届いたんじゃね?」とか抜かしていたのを思い出す。。ねえよ!)。この記譜をそのまま尊重するならば、原曲のバイオリンと同様、低音部をうまく崩して響かせるのでありましょう。

さて、この編曲にはブゾーニ先生本人のピアノロール録音があります。実際にここをどうやって弾いたのか譜面に起こしてみたので、オリジナルの楽譜と比較しながら見て参りましょう。






ああん?

………

音を引いたり足したりで好き放題ですな。

あ、いえ、決して批判ではないのです。

ブゾーニ先生の名誉のために付け加えますれば、彼はここではオルガン的な処理の方を好んでこの様に弾いたのではないかと推測されます。



だんて・みけらんじぇろ・べんべぬーと・ふぇるっちょ・ぶぞーに
(Dante Michelangelo Benvenuto Ferruccio Busoni)

突然ですがこれがブゾーニ先生のフルネームです。ああなんたる高邁な名前でありましょうか。

「ダンテ・ミケランジェロ・ベンベヌート」と来ましたよ。吉野家で言えば「牛丼大盛り!牛丼特盛!牛丼超特盛!」和名でいえば「秀吉之助 家康左衛門 淀五郎丸」みたいなもんでしょうか。あなおかしでございます。もし楽譜と違う好き勝手をやられても、こんな名前の前ではもう何も言えなくなるのであります。

…どうでもいいけど「ベンベヌート」って粘り気のあるマカロニみたいですね。

「定吉ぃ!ベンベヌート持ってこい!」
「へいっ!ダンテ親方ぁ!」
「こらぁ、なんでぃこらぁ!粘り気が全然足りねぇんでぃ!」
「すぃやせん、ダンテ親方ぁ!」

なんですかね、江戸時代にはミラノに小粋なマカロニ専門店でもあったのでしょうか。どうやら前世療法によって過去の記憶が呼び覚まされたようです。

さて、どうでもいい妄想が排泄されたところで一句浮かびました。

シャコンヌや
オルガン推しの
コーダかな

「マカロニ特盛ポモドーロぶっかけうどんチーズ全種乗せ(…なぜうどんが混入した?)」のような名前の前では、このように一句ひねって何とか始末をつけるしかないのであります。お粗末さまで御座います。

-----

How Busoni actually played his arrangement of Chaconne D minor by J.S.Bach.