『営業は断られてから始まる』



という言葉を聞いたことがある。




私のなかでは断られても食い下がって
強引に話をして相手をねじ伏せるイメージだった。



私はいままで言葉で相手をねじ伏せたことはないし、
なにより口下手なので、どうすればいいのかわからなかった。




でも飛び込み営業だとほぼ確実に相手の断りが来る。



そしてその断りを突破しないと契約までたどりつかない。





他の営業マンはどうやって突破しているのだろう?




うちの会社には営業マンが私しかいないので、恥ずかしいけど
別の会社で営業をやっている人にそのことを聞いてみることにした。





彼もトップレベルではないが営業を何年かやっている。




彼が言うには、相手の話を聞かないということだ。
断りが入っても話を続けていくのだという。





ただ、一方的に話を進めると単なる押し売りになってしまうので
会話をしているようにしながら話を進めていくのだということだ。




具体的には相手が発する言葉をオウム返しのように繰り返す。
そして何事もなかったかのように話を進めていくということだ。



こうすると一方的にならずに話が進むとのことである。






早速やってみた。





いつものように断りがくる。


「ウチはいらないわ~」



オウム返しをしてみる。



「そうですよね~いらないですよね~」



そして話をすすめてみる。



「〇〇という特徴があるんで同業のお店さんには好評だったので
お役に立てるかと思ったんですけどねぇ~」



すると、



「他のお店ではやってるところあるの?」


という返答がきた。


そしてそこから詳しく話をすることができた。




なんかスムーズだった。



オウム返しをすることで私が相手の意見を受け入れたような感じになり、
相手も営業マンに対する敵対心のようなものが一瞬なくなった気がした。


そして次の言葉を相手が受け入れてくれたような感じだった。


相手の意見に同調しながらこちらの意見を押していく。


なんとなく感覚がわかってきた。




こんなことは営業マンなら知ってて当然かもしれないが、
そんなことはどうでもいい。

知らなかったことを知って実践でやってみることの繰り返しだ!




どんなことでもそうだが、苦手と思っていることは

方法を知らないだけで方法を知れば苦手意識がなくなる。




これからもどんどん挑戦する!

昨日は大阪の下町のなかでも特に下町に営業に行ってみた。




大阪の下町と言えば全国的に有名な
いわゆる「大阪のおばちゃん」がたくさんいらっしゃいます。




大阪のおばちゃんはみんなチャリンコに乗ってます。
そしてチャリンコでどこまでも行きます。


ちなみに、そのおばちゃんのチャリンコにはだいたい「さすべえ」が取り付けてあります。


「さすべえ」とは、ハンドルの真ん中に取り付けてそこに傘を差し込めるようになっている器具で、ここに傘を差せば雨の日でも両手でハンドルを握れるという便利なものです。




おばちゃんはチャリンコに乗っていても気になるものが視界に入ると急に止まります。
だからおばちゃんの後ろをチャリで走るときは気をつけないとぶつかります。




そして大阪のおばちゃんは誰にでもすぐに声をかけます。




私が歩いていると後ろからチャリンコに乗ったおばちゃんが




「なぁちょっとにいちゃん、この自転車、ライトついとるか?見えへんねん。」
と聞いてくる。



「ついてますよ」
と答えると



「ほんまか」
と言って去っていった。



コンビニで一服してるとまた別のおばちゃんがやって来て



「さむいなぁ~わたしなぁ今から郵便局いかなあかんねん。
にいちゃんさむいのにしごとか」



とひとりでしゃべって去っていった。



ちょっと面白いので、おばちゃんがお店をやっている
お好み焼き屋に営業をかけてみた。


ドアを開けるとそこにはサイババのような髪型で
派手なセーターを着ているイメージどおりのおばちゃんが!




挨拶をして話し始めた瞬間に



「あ~私にはわからんわ~」とかぶせてくる。




「ややこしいですよね~もう一回言いますね」


と言ってもう一回話し始めると、うなずきながら聞いているが
微妙にうなずくタイミングがおかしい。





あきらかに聞いているフリをしている。





そしておばちゃんのタイミングで断ってくる。

その断り方がまたすごい。






「いまはアレやからな~、またアレするときにナニするわ~」




なんのこっちゃ???





「アレ」とか「ナニ」に意味を求めてはいけない!




おそるべし大阪のおばちゃん!




いい意味で自己中。



私もこれくらい自己中でもいいのかもしれない

と思った下町でのできごとでした。

~昨日のつづき~


契約数が伸びないので引き上げようとしたが、
もうひとふんばりするため再びまわりはじめた。

この時間に空いているお店はもう営業時間中で
なかなか話を聞いてもらえない。


だが、そんなことはわかっている。
「自分への挑戦!」と言い聞かせてまわる。


おそるおそるお店のドアを開ける。


すでにお客様が数名来店している。

話を聞いてもらえる状態ではない。

おそらく迷惑だろう。

逆の立場ならとても迷惑なことだ。


そして当然断られる。


しかし、断り方がいつもと違う!

お客様の手前か、笑顔でやんわりと断ってくる。

次のお店も同じような感じの断り方。

こんな感じの断り方ならきつくない!


そう思った私は、お店には迷惑だがチャンスだと思い、
まわるスピードに勢いがついてきた。


何軒か訪問すると話を聞いてくれるお店が出てくる。

ちょうど開店準備を終えてお客様が来るのを待っているような状態だった。

しかも、この時間はお昼のお店と違って

私のような訪問の営業をあまり受けていないことに気づく。
だからかもしれないが話をちゃんと聞いてくれる。


短時間でなんと2本の契約が取れた!


こうなるとさらに勢いがつく。

まだいけるぞ!と走りながら訪問をくりかえした。


しかしさすがに時間も遅くなり、お客様の来店しているお店が増えてきた。
あと3件訪問したら終わりにしようと思い次の店に向かった。

そのお店のドアを開けたとき、そこには既にお客様が来店していた。


無理かなと思ったがお店の方に挨拶をするとお店の端のほうへ案内され話を聞いてくれた。


わざわざ私のために時間をくれたのだから必死で話をした。
自分でもわかるくらい必死だった。


その必死さが伝わったのか笑顔で契約してくれた。


書類への記入が終わるとその方は思い出したように店の奥のほうへ入っていった。

やっぱり忙しかったのかな?と思っていると、すぐに戻ってきた。

するとなんと私のためにおしぼりとお茶を持ってきてくれたのだ!

そう、私は必死で走り回っていたため額から汗が流しながら話していたのだ。
それを見ておしぼりとお茶を持ってきてくれたのである。

そして、

「遅くまで大変だね。ありがとうね。」

という言葉をかけてくれた。

心から嬉しかった。
諦めないで良かったと思った。


自分の先入観だけで諦めるほど愚かなことはない。
こんな時間でも聞いてくれるお客様もいるんだということがわかった。

結局3本追加で目標達成して会社に戻ることができた。
そして契約本数よりもっと大事なことを得た気がした一日だった。