相手は初めてぶつかる大砂嵐。
すでに2人の横綱が敗れている。
屈強な肉体を持つアフリカンには不気味さがあった。
されど、白鵬は白鵬。
第一人者として格の違いを見せつけ、満員札止めの館内を沸かせた。
相手はかちあげを仕掛けてこなかった。
両者ともに右を差して、左上手。
がっぷり四つを先に崩しにかかったのは横綱の方だった。
腰を振って、上手を切ったが攻めきれず。
すくい投げを幾度もこらえ、最後は豪快に左上手投げで転がした。
立ち合いから小細工はなし。
22歳の挑戦を真っ向から受け止め、はね返した。
中入り後最長となる1分12秒の相撲を取り終えた。