中国、北陸地方の日本海側で記録的な豪雨となった
7月28日から30日にかけ、四国地方など周辺地域ではほとんど雨が降らなかった。
なぜ、このような現象が起きたのか。
日本海側は偏西風が南下して巨大な積乱雲が停滞するなど大雨の条件が重なり、
一方で、四国などは太平洋高気圧に守られて少雨となったとみられている。
高松地方気象台は「例年とは異なる気圧配置。
大雨になる条件がここまでそろうのは珍しい」と指摘する。
前線の影響で、30日の日本海側の24時間雨量は、
多いところで200ミリ以上を記録。
29日は石川県、28日は山口、島根両県で過去最大級の降雨を観測した。
一方、四国地方は7月8日の梅雨明け以降、
ほとんど雨が降らず、高松の7月の雨量は平年の半分程度の84・0ミリ。
早明浦ダム上流の雨量もダム運用開始以降では3番目に少ない129・3ミリにとどまり、
貯水率は31日午前0時現在、65・4%(平年値82・9%)。
早ければ2日にも1次取水制限入りする。
同気象台によると、夏場は通常、太平洋高気圧が日本全体を覆うことが多く、前線が日本の上空に近づけず、強い雨が長期間降り続くことは少ない。
ところが、今年は偏西風が日本の近くまで迫り、偏西風に伴い南下した寒気に沿うように前線が発生。ここに暖かく湿った空気が四国の南海上にある太平洋高気圧の縁を沿うように流れ込み続け、前線上に巨大な積乱雲をつくった。
前線は太平洋高気圧にブロックされる形で南下できず、積乱雲が長期間同じ場所に停滞。中国地方で激しい雨が降り続いたが、太平洋高気圧がかかった四国地方はほとんど雨が降らなかった。同気象台は「梅雨前線が北上せず、梅雨明けがはっきりしない年の気圧配置に似ている」とする。
同気象台によると、向こう1週間の四国地方は、高気圧が勢力を強めるため、晴れの日が続く見込みで、まとまった雨は期待できないとしている。