(セ・リーグ、中日1-0巨人、11回戦、巨人6勝5敗、
13日、ナゴヤドーム)
緊迫した展開では、得てしてミスが勝敗を分ける。
この試合の巨人は、走塁ミスで絶好の同点機をつぶし対中日戦4連敗を喫した。
六回1死満塁。代打石井の左中間への打球は、大島に好捕された。
三走の坂本がタッチアップで本塁へ向かうが、二走の阿部も飛び出していた。
微妙なタイミングではあったが、坂本の本塁生還より二塁返球による
併殺成立のほうが早いと判定され、得点は認められなかった。
「俺の判断ミス。抜けると思って出過ぎた。申し訳ない」と阿部。
9残塁と拙攻も目立った巨人だが、痛すぎるミスだった。
結果的に、力投の沢村を見殺しにすることになる。
6月中旬以降は安定した投球を続けている右腕だが、
これで前々回登板に続き今季2度目の“完投負け”。
なかなか白星に結びつかない。
試合後、沢村はほとんど質問に答えることなく、足早に帰りのバスに乗り込んだ。
日頃から「何点取られてもチームが勝てばいい」と繰り返す男にとっては、
どれだけ好投しても負けは負け。
プロ入り後、ナゴヤドームで初めて失った二回の1点が許せなかったのだろう。
「必ず、彼に光は向いてくる。そういうふうにせにゃいかんね」と原監督。
打線は1つ、沢村に大きな借りを作った。