◇交流戦 西武10―0中日(2013年6月12日 西武D)
あとアウト2つだった。ノーヒットノーランの大記録を逃した
西武・菊池は試合後、今季3度目の完封勝利に笑顔をみせながらも「悔しいです」と言い切った。
球場のボルテージが上がる9回。
菊池は「野球を始めて、初めてマウンドに行くのが怖かった」と振り返った。
ベンチの渡辺監督には「悔いの残らないように投げろ」と背中を押されたという。
緊張感が高まる中、自分を落ち着かせるため「間をおいて投げました」。
先頭の荒木は空振り三振に仕留めた。
しかし、続く大島への4球目だった。
145キロの直球が真ん中に入ると、打球はセンターへと抜けた。
その瞬間、左ヒザをマウンドにつき、立ち上がった際には天を仰いだ。
それでも後続をしっかりと打ち取り、1安打完封で7勝目を飾った。
「まだ自分には早いということだと思う」と菊池。
言葉に悔しさをにじませながらも
「自分で負けて連敗がスタートしたので何とか止めたかった。
こういう勝ち方をしても1勝は1勝。次に向けてまた頑張りたい」と気持ちを切り替えていた。