第85回選抜高校野球大会第8日
(尚志館3-6北照、29日、甲子園)
鮮やかな先制攻撃で北照が主導権をたぐり寄せた。
一回1死満塁で富田が左中間を破る走者一掃の適時三塁打。
「これでヒーローになれる」。塁上で早々と勝利を確信したという。
それだけ価値ある一打だった。
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尚志館のエース吉国対策として、内角への球は捨て、
外角の直球に的を絞っていた。さらに、西谷の浅い右飛で
外野からの返球が乱れた隙(すき)をつき、富田は三塁から生還。
「前の試合を見て、守備の隙があると思っていた。
ボールから目を離さないようにしていた」としてやったりの表情を浮かべた。
富田は大阪出身。2010年春にベスト8に進出した北照にあこがれ、
両親の反対を押し切って、北海道に渡った。
その3年前の成績に肩を並べたが、「まだ通過点です」と富田。
力強く歴史を塗り替えることを誓った