阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で3月22日に開幕する第85回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)の入場行進曲が16日、東日本大震災復興支援ソングとしてNHKが制作した「花は咲く」に決まった。歌い手の一人である福島県郡山市出身の俳優、西田敏行さん(65)は「歌詞には、理不尽にも命を失った人たちの遺志を受け継いで生きていくとの優しい思いが込められている。高校球児の背中を押す力になれれば」と話している。
「花は咲く」は、被災地ゆかりの歌手やタレントら36人がリレー形式で歌うチャリティーソング。仙台市出身の映画監督、岩井俊二さん(49)が作詞し、同市出身の作曲家、菅野よう子さん(48)が作曲した。「美しいメロディーと胸を打つ歌詞が球児の活躍を後押しする」として行進曲に選ばれた。
岩井さんは「今や次世代を生きる人々へのメッセージ」をコンセプトに制作。歌詞には「今はただ愛(いと)おしい あの人を思い出す」「誰かの笑顔が見える 悲しみの向こう側に」「花は咲く いつか生まれる君に」などの言葉が並ぶ。菅野さんは「どんな人でも歌いやすいよう、透明な器のような曲調に仕上げた」と話す。
高校野球ファンという西田さんは、出場する球児に「思い切り自分の青春をぶつけてほしい。一生懸命頑張れば、いろいろなものを得ることができると思います」とエールを送る。