終わりよければすべてよし!?
借金「20」を数え、5位に低迷した阪神。
シーズン中は暗い話題が多かったものの、オフは朗報も。ファンにとっても悔しい1年となった2012年。阪神10大ニュースを選んでみた。
◆ベテラン去る
1位は金本、城島の引退。「負けグセのついたチームの体質を変えた」といわれた金本。契約を1年残してバットを置いた城島。
球史に残る成績を残しながら「若いときにもっとバットを振っておけばよかった」と引退会見で語った鉄人の姿勢は、今後も若手のよき模範となりそうだ。
投手キャプテンの藤川も、同じく阪神のユニホームを脱いだ。長年の夢だったメジャー挑戦。気持ちよく送り出すファンも多いのではないか。とはいえ、投打の精神的支柱が失われたことも事実で、後継者の出現が待たれる。
◆チーム迷走
シーズン中は明るいニュースに恵まれなかった。
その象徴がマートンの舌禍事件。6月9日のオリックス戦での緩慢な守備を試合後に問われ、腹立ちまぎれに「自分は能見さんが嫌いだから、オリックスに点をあげた」という意味の発言をして物議を醸した。
「ニルイ、ドウゾ(塁を2つ進ませてあげた)。アイ・ドント・ライク・ノウミサン。ワカリマスカ?」
8月17日には途中交代を命じられた不満を関川外野守備走塁コーチにぶちまけ一触即発となるなど、前年までの優良外国人らしからぬ姿が目立った。
迷走したチームは巨人に敗北を重ね、東京ドームではわずか1勝。9月に初白星を挙げるまでに8連敗を喫した。7年守り続けた観客動員数トップの座も巨人に明け渡した。
失意のシーズンでファンを喜ばせたのは若手、中堅の台頭だった。上本、大和の若手コンビが1、2番に定着。新井良も兄の新井貴を押しのけて4番に座るまでに成長した。
秋には中村勝広ゼネラルマネジャー(GM)が誕生。球団初のGM制導入だった。中村GMはさっそく大リーグ、ツインズを戦力外になった西岡、オリックスからフリーエージェント(FA)となった日高を獲得した。
◆待望のスター
明るいニュースは高校野球のスター、藤浪晋太郎投手(大阪桐蔭高)と北條史也内野手(青森・光星学院高)の入団。ドラフト1位指名の藤浪は1位の重複指名の抽選を12回連続外してきたあとの待望の当たりくじだった。
猛虎再建に課題は山積だが、とりあえずは笑って年を越せそうだ。