まいど
女子アーチェリー団体 『銅メダル』おめでとう
蟹江美貴さん、川中香緒里さん、早川漣さんおめでとう
1点差で迎えた第4エンド。雨上がりの空の下で、早川は構えたままジッと矢を射るのをためた。
「調子が悪く、(気持ちが)切れそうになると『射(う)っちゃえ』と早く射ってしまっていた。でも大切な一本だったから我慢しよう、我慢しようと思って」
ロシアとの女子アーチェリー3位決定戦。第2エンドが終わった時点で4点差の劣勢だった。第3エンドで
何とか1点差まで縮めて迎えた第4エンド。ここで崩れればメダルはなかった。だが早川が放った“我慢の
一矢”は的のほぼ中心を射抜き、見事に10点。先に射った蟹江、川中の各9点と合わせて最後の最後で
ロシアを逆転し、女子アーチェリーで初のメダルという快挙を成し遂げた。
6連覇中の韓国が相手となった準決勝。韓国出身の早川には、自分でも変だと思うほど「心のどこかに
動揺があった」という。中盤まではほぼ互角だったが第3エンドで10点を連発されると、蟹江、川中ともに
気持ちが崩れてしまった。15点差。強豪との実力の差を思い知らされた。
それでも3位決定戦に臨む3人に気落ちはなかった。「悔しいという気持ちより、次は納得のいく結果を残
したいと思った。後ろは向かなかった」と蟹江。1点差で迎えた最後の第4エンドも「まだ矢は6本(1人2
本)残っている」(早川)と焦ることなく、息詰まるロシアとの熱戦を制した。強豪の韓国、中国に次いで
表彰台に並ぶという新しい歴史を作った3人。経験も豊富でエース格の早川は「銅メダルにはまだ
上がある。さらに上を目指したい」と次を見据えていた。