7月に入って次々に夏物セールが始まっています。
ファッション業界は今年も大したヒットアイテムもなく、どのブランドの店頭も似たような商品
と、そこから派生させた訳のわからないアイテムが乱雑に並んでいます。
まさに迷走とはこのことを言うんでしょうなぁ。
そしてセール突入です。
口ではプロパー商品を大事に売っていきたいようなことを言うのですが、さっさと夏物商品
を換金しないと他店にお客さんを奪われちゃうし、売れ残ると資金面でも負担になる。
キレイごとだけではファッションは成り立たないんですね。
この迷走の中、いろんなファッションコンサルタントの人たちがご意見をあげています。
内容は在庫のことやら、セールの時期やら、MDの流れやら、発注のタイミングやら。
テクニック面のことが多いですね。
「ロスが出ないように売り切るためにはいつ値下げするのがいいか!」
「グローバル大手たちはさらに小ロット化に進化している!」
という感じで、テクニックの話に終始して店頭で何が売れているのか、という話は出てこない。
もちろん業界にいたら、ヒット商品ぐらいは理解しているのだと思うが、それがどうやって生
まれたのかをあまり説明してくれない。
今、激しく地盤沈下しているアパレル業界をコンサルタントとして救ってあげるには、ここが
一番のポイントなのだと思うのですがね。
例えば商品の下げ札にはバーコードがついていて、どのデザインのどの色が売れたのか、
データ蓄積している。
さらにレジやメンバーズカードで購買者の性別や年代などもデータ化している。
ネット販売なら購買目的や他に好きなブランド、愛読雑誌などもっと細かいデータもとってい
ます。
そこまで購入者の心理や趣味趣向まで掴みながら、ヒット商品が次々と生まれないのはなぜ
なのか?
まず毎週のようにチェックする店頭販売データ。
ズバリ売れている商品、売れた商品のデザイン傾向、色傾向、ぐらいまでは何とか読み取れ
ますね。
ただこれはあくまで結果だったり、近い将来までの流れだったりします。
というより、週末に店頭に立ってたらデータを見なくてもわかることです。
欲しい答えはその先の先、つまり今から企画を始めて商品が出来上がる頃に何が売れるか、
というもの。
何時間もデータを見てもそんな答えは書いていない。
なるべくハズレないように近い将来に合わせて生産期間を短くするにしても、それも限界が
あります。
他にも採算度外視で実験的な商品を少ロット生産して店頭に投入したりもしました。
しかし結果は「よくわからない」。
そりゃ販売時期が合ってないんだから、みんな関心がないし売れるわけもない。
集めた顧客データもいい加減なもんです。
というのも、彼ら彼女たちはみんな一般の素人さんなんです。
いちいち言ったことに責任は持っていなし、来週にはお気に入りも変わるんです。
さて、どうしたものか?
そんな先のことなんて神様以外にわかるはずはない。
そこでコンサルタントさんに是非解説してもらいたいのは、今売れている商品が「なぜ売れて
いるのか?」という点。
「なぜ?」となるとハードルが高いので、今シーズン売れたもの、または今売れているものはど
うやって生まれたのか?という点でもいい。
過去の経緯なので調べればわかると思んですけどね。
実際に店頭に商品があるわけだから、時期的にはもっと前から企画はしているはずだし。
それは神の痕跡を辿ることでもあるんですしね。
ああ神様、次に売れるもの私だけにこっそり教えて。
(続く・・・。)