最近気になっていたテレビコマーシャルがあります。
「トリバゴ」
なんか「とりかご」みたいで、ちょっと日本を馬鹿にしてんのかなぁ、と勝手に思ったり
してました。
それに金髪なのに日本語をネイティブに話していて、ちょっとO脚なチアガール姿が
印象的な女性が気になります。
これはホテルや旅館の料金比較サイトなんですけどね。
「トリバゴ」だけでなく、他にもたくさんの同種サイトが存在します。
ちょっと前からホテルの宿泊料金がバラバラになっています。
同じ日に同じホテルに宿泊している人たちなのに、支払っている料金ばバラバラと言う
意味です。
簡単に言ってますが、これはちょっと説明が必要なんですね。
我々のように毎日ネットを見ていたり、スマホをいじっている若者なら普通のことなんで
すがね。
「旅行に行きたい」と思いたったら、JTBなどの旅行代理店に向かう人たちにとっては
理解できないことなんです。
交通費と宿泊費をセットにして、しかも海外なら添乗員までつけてくれる便利な旅行代理店。
そう、最初から最後まで、観光や食事まで全部任せっきりの旅行が昔は当たり前だったん
ですね。
旅行代理店がホテルや鉄道会社などと提携して最も安い料金設定にしてくれている、と
みなさん思っていますね。
もちろん、それも正解です。
正規料金なら飛行機代にしかならない金額の旅行が、ホテル代込みでゴロゴロ転がって
いるわけですから。
みんなそれで満足だったんです。
しかし、時代が進むと消費者の嗜好がかなり多様化していくんですね。
それに合わせて観光地側もたくさんの新しい見どころを開発していきます。
それは場所だけでなく、グルメや体験など多岐にわたります。
私はあっちに身に行きたい、いや、我々はこっちで何かしたい、そんな感じです。
昔に比べると旅行の自由度がはるかに上がっているんです。
こうなると旅行代理店が並べるカタログだけでは収まりきりません。
自由に行動するために自力で安いチケットやホテルを探したりするようになったんですね。
そんな苦労もちょっと冒険的だったりして楽しいわけです。
一方ホテル側も空室が出ると損なわけですから、該当日まで残り日数が減ってくると割引
率を上げたりして、空室を埋めようと努力するんですね。
そこで利害関係の一致が生まれたわけです。
一泊数万円する高級ホテルですら、急なキャンセルで空き室が出ると数千円で泊まれたり
するんです。
ま、これはこれでいいです。
お互い様だし、生き残りをかけた競争だからね。
ただ感情的にはね。
安く泊まれた側はいいですよ。
一方で早い時期からきっちり予約を入れて、ホテルの売り上げに貢献している側の料金が高
くなっているのは如何なものか?
朝、隣で満足そうに朝飯食ってる奴が自分の半額しか宿泊費を払っていなかったらムカつき
ますよね。
こういう二重価格に対して、世の中はどう思っているんですかね?
十数年前になりますが、小売り業界では「二重価格」が問題になりました。
一度も正価で販売したことがないのに、いきなり元値に赤線が引かれて値引き価格になって
いる!詐欺だ!などと。
そして本来の商品の価値がよくわからなくなる、ということで業界に対する不信感も募りまし
た。
結果、公正取引委員会からの指導で「二重価格」は撤廃されました。
ま、現実はまだありますけどね。罰則が大したことないんで。
では、旅行業界のこのバラバラの料金設定はどうなんだろう?
ネット社会が進んで大量の情報が巻き散らかされる現代で、こんなこと言い出したらキリがな
いんでしょうがね。
気持ちの狭い小生としては、そんなホテルには二度ととまりたくないなぁ。
お客様として大事にされている、そんな信用できないですもん。
ほんと、ホテル予約のときにイライラするわさ。