電子マネーとかで、最近は現金を使う人も減っているのかもしれないが、ぼくは現金が好きだね。使って次第に無くなっていくなかでいろいろ考えさせてくれもするから。とくに高額の1万円札はもっていて、なかなか崩したくなく、それしかなくても崩したくないばかりに買い物をがまんしようとしたりする。なんでって、いったん崩したら、なくなることのはやいこと。
古人は、貧乏の貧は宝である貝を分けるから貧になるんだとか。貝を分けて乏しい、これビンボーと。
「・・・富(とみ)の内(うち)のたからを、一銭(せん)わくれば(注:分ければということ)一銭(せん)だけの貧(ひん)なり、十銭(せん)わくれば十銭(せん)だけの貧(ひん)也(なり)、まして大分(たいぶん)の金銀財宝(きんぎんざいはう)をや、そなはりある冥加(みやうが)の富(とみ)をつかひくづせば夫(それ)ほど跡(あと)がへるなり、・・・」
(徽堂、『渡世肝要記』巻上、文化四年。)
倹約しなくちゃ。