苦労 | 拾い読みあれこれ

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きょ~も適度に息抜き、よいかげん。ゆっくり歩いて遠くまで

連休だ。元気な高齢の方々も各地に繰り出しているにちがいない。

「六郎兵衞さんも能(いゝ)老入(おいれ;老境のこと)だ。息子たちはよく粒(つぶ)が揃(そろつ)て、皆(みな)大丈夫なり、娘はそれそれにかたづくシ、モウ孫も五六人ある。・・・あの人も若い内苦労したから、老(としよつ)て樂をする。今の若者は老(としよつ)てから苦労する。身持が大きにあべこべだ。」
(式亭三馬、『浮世風呂』)

若い内苦労したとすれば、そのご褒美として老境の安楽がある。しかし、・・・いまの若者、昔のように若いうちから楽しんで、老境に至り苦労するというものでもないだろう。若者はいま、大いに高齢の者の犠牲になっているという意見もある。若くして貧苦、老いてますます貧しいというのでは救いがないなあ。