「惣体(さうてい)の事が一旦はかぶれるけれど、善悪は三歳児(みつご)にもわかるものだから、是は悪いとおもふ事は、ながく続かねへはな。」
(式亭三馬、『浮世風呂』)
惣体(さうてい)の事とはたいていのことという意味だろう。なんであれ、誰もがひととき、かぶれるような事があるが、どんなことでもいい悪いは子供でもわかる。だから悪いと思われることは、そう長続きはしないもんだ、と。長続きとは、誰もが悪いと考えず、支持するからできることなんだな。しかしその続かないことをしようと欲している方がいるのも世の中。困ったものだ。まあ長続きしないと思えば、続かなくなるのを待つのは、それにかぶれているのと同じく、これまたひととき。