憂き艱難 | 拾い読みあれこれ

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きょ~も適度に息抜き、よいかげん。ゆっくり歩いて遠くまで

「・・・親子三人。打連(うちつ)れ行(ゆ)くうち。東海道の泊(とまり)にて。俄(には)かの大地震(おほぢしん)。夫婦親子(ふうふおやこ)も散(ち)り散りに。夜明(よあ)けて地震(ぢしん)も鎮(しづ)まり。夫(をつと)の行(ゆ)くへを尋(たづ)ねても知(し)れざるゆゑ。是非(ぜひ)なく其方(そなた)を連(つ)れて。さまざまの憂(う)き艱難(かんなん)。・・・」
(奈河晴助、『敵討浦朝霧(かたきうちうらのあさぎり)』)

年が明けても、震災で、家族ちりじり、また家族をなくした方々の憂き艱難は続くのだなと思う。