地上の宝 | 拾い読みあれこれ

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「・・・樹木は地上の宝でございます、木を植ゆるは徳を植ゆるなりと申されてありまする。あなた方の御先祖代々が、折角丹精して、あれまでに育てて・・・」
(中里介山、『大菩薩峠』)

かつて地上の星と、歌い上げる流行歌があったように思う。この地上の星々が大事にしている宝はなにか。その欲求と野心の対象は種々あり、それらがそうなのかもしれない。場合によってはその宝によって人生が振り回されているのかもしれない。しかし本当の宝は、木々、それには人々の徳が具体化されているといえるか。どのような環境を持っているかで、そこにいる人々の質がわかるのだろう。