止めておく「イヤ廃(よし)にしやれ。遊軒殿の耳へ入つても可(よ)くない事ぢや。廃(よし)にしやれ廃(よし)にしやれ。イエイエ左様ではござりませぬ。云はゞ私が胸が済みませぬわいなア」(並木正三、『三十石艠始(さんじつこくよぶねのはじまり)』)胸に収めて、言うのは止めておけばよいものを、胸を晴らすためについ、ということがある。それが不都合な先の耳に入り、困ったなんてことにもなる。