向き合う | 拾い読みあれこれ

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きょ~も適度に息抜き、よいかげん。ゆっくり歩いて遠くまで

「物井は考えることがたくさんあるだけで、塞ぎ込んでいるわけではなかった。片付けたり維持したりしなければならないいくつかの事柄が、とりたてて感情を伴わないまま、自分の人生のなかに並んでおり、体力と相談しながら一日を適当に割り振って、一つ一つと向き合っているだけだった。・・・」
(髙村薫、『レディ・ジョーカー』)

最近、ふさぎ込んでいるように見られたり、自分でもそうなのかなと感じるときがある。しかしいつに変わらず手がけねばならぬことや、それに伴い考えねばならぬことも多い。とくに感情を込めて取り組むでもなく、作業をしている。それをしてどうなるのだと考えないでもないが、まるで自動的な作業のように、それを続けている。我が身をそこに置いてみたいと願う変革された状況を実現するために微力を尽くす望みはすり切れ始めている。だから考えることや取り組む作業のかなりな部分が意味を失ってきているのかもしれない。