百 | 拾い読みあれこれ

拾い読みあれこれ

きょ~も適度に息抜き、よいかげん。ゆっくり歩いて遠くまで

「世に誰(たれ)か百まで生(いき)る人なし。然(しか)ればよしなき願ひする事、愚(おろ)かなり。・・・
(西鶴、『世間胸算用』)

年の瀬に、しばらくぶりに同年の友人たちに会い、年を忘れる集まりとはいいながら、意味を取り違えているのではないかと思うほど、話す話題は歳を重ねるごとに、健康にはあれがよいだの、いやこれだの、はたまたこの不具合、病気にはこれこれ、あれあれ、知っているかとまことにご親切。最近は百まで生きる人も珍しくなくなったようだが、よしなしごころの類で、つまらぬ、たわいもない話題だ。そうした話ほど歳など忘れているかのごとく元気に語られる。まあ活力の出てくるような話題のあった一年というわけでもなく、仕方ないかとも思うが、しかしまあ、他になにか話すことはないのかとも。

人間死んだらオシマイだが、そういつまでも元気でやれるわけでもない。一分一秒、寿命を先に延ばすことより、手がけておきたいことに心を向けておきたい。