不足を思う「・・・萬(よろず)の事、不足を思ふて元(もと)をわすれ、不義の道へ入(い)る時は、一旦栄えを見するとも、末は後悔うたがひなし、・・・ (為永春水、『春色辰巳園』) これが足りない、あれがない、欲しい、欲しいと望んで、願いかなって得意になるも、詰まるところはもとも子もなく、基本となした元を失うハメになることや多し。 不足を思うのは慎重でありたいもの。 まあ足るを知っておれば、そういうことも避けられよう。