ロックを良い音で聴きたい中年 -81ページ目

Uriah Heep

Uriah Heepはどちらかというとハードロックにカテゴライズされるバンドです。同じハードロックのLed Zeppelin や Deep Purpleに比較すると、下のレベルに見られてしまうバンドですが、重厚なキーボードアレンジとコーラスワークに特徴があり一時期は大いにはまりました。私としては、ハードロックというよりもへヴィロックと呼んだほうがぴったりくると思っています。
代表作は1971年にリリースした「Look At Yourself(対自核)」で、ジャケットの中心に鏡があり文字通り「自分を見よ!」と訴えています。しかし紙でできているので、ぼやけて自分の顔はほとんど認識できません。


Look At Yourself

このアルバムから、10分を超える大作 July Morning を紹介します。



このアルバム以降、70年代はコンスタントにアルバムをリリースしていましたが、メンバーの死や脱退等で勢いを失っていきました。今でもメンバーを変えて活動を行っているようです。

洋楽に付けられた邦題について考える

1960年代~70年代にかけて、洋楽の多くに邦題が付いていました。その中には「悲しき~」「愛の~」「恋の~」「涙の~」で始まる邦題が数多くあり、日本のレコード会社が売るための戦略で付けたものです。もちろん当時の日本がまだ、英語のタイトルの曲に馴染みが無いという背景があったからだともいえます。直訳に近い邦題がある一方、以下の例のように原題とはかけ離れた邦題が付いている場合もあります。

悲しき街角 Runaway   
恋のアドバイス  You Are Going To Lose That Girl
長い夜      25 Or 6 To 4


長い夜 / Chicago


当時、邦題についてはそれが付いているのが当たり前で、それが原題や歌われている内容に合致しているかどうかなんてあまり考えませんでした。しかし後になって、その邦題を見直した時に、あまりにも原題や歌の内容と違うのがあるので、違和感を覚えるようになりました。
その後1990年代くらいになると、日本のロック・ポップスにも英語のタイトルや英語の歌詞を含む曲が多くなり、洋楽に邦題を付ける意味がどんどん薄れていき、現在ではほとんど邦題は付けられていないと思います。

10年くらい前、当時私は出張が多く千歳~羽田間を何回も往復していて、機内でイヤホンで聴ける番組を良く聴いていました。番組は、日本のポップス、洋楽といったジャンルでチャンネルが分かれていて、機内誌の番組表で聴ける曲のチェックを良くしていました。その番組表は、日本のポップスチャンネルの各曲のタイトルはほとんど英語そのままで書かれていたのに対して、洋楽チャンネルの各曲のタイトルは全てカタカナで書かれていました。これを見てすぐ、逆ならまだ話が分かるがこれは違うんじゃないかと感じました。皆さんもそう思いませんか?
最近は飛行機に乗る機会が無く、その後どうなったか確認していませんが、改善されていることを期待しています。

Pink Floyd

Pink Floydはサイケデリックロックバンドとして1967年にレコードデビューし、翌年リーダーだった人物が脱退して新メンバー加入とともにプログレッシブで独創性の高い音創りをするようになりました。
1970年には「Atom Heart Mother」をリリースし(邦題は直訳で「原子心母」ですが、日本語として意味不明なのに係わらず傑作なつけ方だと思う)商業的にも成功を収めます。


そして伝説的なトータルコンセプトアルバム「The Dark Side Of The Moon」が1973年リリースされ、アメリカのBillboardチャートに15年に渡ってチャートインするという超ロングセラーになりました。

このアルバムの中から Great Gig In The Sky と Money を紹介します。




このアルバムでは、時計の針、レジスター、心臓の鼓動などのSE(Sound Effect)が効果的に使われ、非常に芸術性が高い作品でありながら、大衆的で分かりやすい面も備えている傑出したアルバムです。私はこのアルバムがリリースされた当時、ラジオのDJが興奮してMoneyを紹介していたのを思い出します。そのDJが、Moneyはなんと7拍子だと言っていたのが印象に残っていて、そのDJが言っている意味が本当に分かったのはだいぶ後になってからでした。

このアルバムの後、1979年のアルバム The Wall の大ヒットがあり、1980年代に入って分裂状態になりました。1987年にDavid Gilmourを中心に復活し、それ以降2枚のアルバムをリリースしています。1994年リリースの「The Division Bell」から、A Great Day For Freedom です。




90年代後半以降何度も復活の噂がありましたが、最近のインタビューで、David Gilmour自身もうPink Floydとして活動することに興味が無いと言っていました。

King Crimson

King Crimsonは如何なる時代でもコマーシャルな音楽性を避け、独自の音楽を続けてきた真にプログレッシブなバンドといえます。1969年のデビューアルバム「In The Court of The Crimson King」は、デビューアルバムにして大傑作アルバムで、ジャズのジャムセッションのような部分があったり、メロトロンによる荘厳なサウンドが主な特徴です。

このアルバムの中のEpitaphです。





このアルバムを作成したメンバーが次々脱退し、解体と再活動を繰り返し1974年で一旦解散します。
その最後のアルバム Red から Starless です。




その後80年代以降再結成と活動停止を繰り返していますが、その都度音楽性がかなり変わってしまうので、私自身はあまり興味を持っていません。しかし、そのコマーシャル性を拒んだ音楽性にはコアなファンが多いようです。

The Moody Blues

私の大好きなバンドの一つに、Moody Bluesというバンドがあります。
Beatlesとほぼ同時期にデビューして1965年にヒットを飛ばした後、大きなメンバーチェンジがあり、その音楽性を大きく変化させました。

そのアルバムが1967年にリリースされた「Days Of Future Passed」で、当時前例が無かった、
フルオーケーストラとの競演を果たしました。またこのアルバムはトータルコンセプトアルバムで、
早朝から夜までをテーマにした曲を順に配置して、人の一生を一日に例えた形式になっています。

その中の最大のヒット曲である Nights in White Satin を紹介します。



その後1年に1作以上のペースで合計7枚のアルバムをリリースしています。何れもテーマに沿った
コンセプチュアルなアルバムで、オーケストラの代わりにメロトロンという楽器を多用して、神秘的な
広がりを持った独特なサウンドを作り上げています。
70年代後半の低迷期の後80年代に復活し、多少ポップになりつつ独自性を維持して、90年代以降現在まで活動を続けています。

1986年リリースのアルバムのタイトルトラック The Other Side of Life です。