以下 http://mage8.com/magetan/roushi03.htmlより引用

原文
跂者不立、跨者不行。自見者不明、自是者不彰。
自伐者無功、自矜者不長。其於道也、曰餘食贅行。
物或惡之。故有道者不處。

書き下し文
跂(つまだ)つ者は立たず、跨(また)ぐ者は行かず。
自ら見(あら)わす者は明らかならず、
自ら是(よし)とする者は彰(あら)われず。
自ら伐(ほこ)る者は功なく、自ら矜(ほこ)る者は長(ひさ)しからず。
その道に於(お)けるや、余食贅行(ぜいこう)と曰(い)う。
物或いはこれを悪(にく)む、故に有道の者は処(お)らず。

現代語訳
背伸びをしようとつま先立ちをしている者は長く立っていられない。
早く歩こうと大股で歩く者は長く歩いていられない。
自分が目立とうとする者は誰からも注目されないし、
自分の意見を押し付ける様な者は人から認められない。
自分の功績を自慢する様な者は人から称えられないし、
この様な者は長続きしない。
こういう人間の行為を「道」の観点から言うと
「余計な食べ物、余計な振る舞い」と言うのである。
誰もがお腹一杯食べた後にさらに食べたいと思わない様に、
「道」を知った人間はそんな事はしないものだ。

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老子が怒っている。
この大ばか物(者)!と。。

(12/3追記)
22で「不自見故明、不自是故彰。不自伐故有功、不自矜故長。」とあり、
今回24でも「自見者不明、自是者不彰。自伐者無功、自矜者不長。」と
同じことを繰り返し述べている。

老子様は、よほど我欲の強い人間がお嫌いなのだろう。
他人と比較し負けじと無理をしてまで、自我を追及するのは哀れだと。
本質から離れた物欲にとらわれる者は、人間ではない。
そんなのは、心(良心)のない、単なる物(物質)でしかない。
とでも言いたいようだ。
競争などしなくても、良心は怠けない。良いことをせずにはいられない。
経験し、成長せずにはられないのだ。
目標を持つこと、切磋琢磨も悪くはないが、ほどほどが良いだろう。