歌舞伎十八番の内「鳴神」というお芝居がある。
一幕の芝居、わかりやすい。
明治に市川左團次が復活させたと言われていて、前進座はその形を継承している。
僕は30数年前から前進座の「鳴神」に携わっていた。
この度、弾きなさいと言われたので引き受けさせていただいた。
声をかけてもらうのはありがたいことです。
長いこと携わっていたと言ってもワキ三味線を弾いていただけなので、実際は「観ていた」に等しい。
4月の末から稽古が始まって5月11日に初日が開いた。
たくさんの人たちと作り上げていくのは楽しい。
やっぱ楽しい。
ああでもない、こうではないかとかやりながらは楽しい。
みんな研究し、勉強し、工夫をし、自分のモノにしていくとこに携わるのは興味深い。
僕はどうだろ?
僕も微力ながら考えることはある。
基本をキッチリ継承する、そこから始まった。
こういうお芝居は「今回はこうしよう」的なものが無い、僕のポジションでは。
練りに練り上げられている、さすが十八番だ。
なので「相勤め候」をしっかりやる。