「はい、覚えてます。コムデギャルソンのTシャツに靴はランバンで、和のお仕事の方です」
お、ちゃんと覚えていた店員さん。
こういう人は信用できる。
「あのあとポロシャツが入ったんです。これです、紫とピンク」
またすごい色だなぁ、着ないけどなぁ。
似合うなぁ。
「そうなんですよ、着たら似合うんですよ。両方にします?」
しないよ、買わないよ、ポロシャツ着ないんだもの。
「あれ?ゴルフおやりになるんでしょ?」
なりますよ、なりますけど、え?ゴルフんときに着ろっての?
「はい」
じょ、ジョーダンじゃないよー、こんな高いポロシャツなんか着れないよーー、汗びっしよりになるし、炎天下で焼けちゃうし。
「これ、タグのとこも染まってるんですよ。洗えば洗うほど味が出るやつですよ」
わかる、そんな感じはする。
絶対に洗えば洗うほどかっこよくなるってことも。
でもね、ポロシャツはすごいけど、人間に問題ありよ、単にクタクタのポロシャツ着た人になっちゃうんだって。
この素敵な紫というかパープルというか、のだって、紺色が薄くなったみたいに見えちゃうんだから。
「う!」
お、店員の押しをうまくハジキ飛ばしたぞ。
「ピンクなら大丈夫!!」
素晴らしいわ、ピンクを押して着たわ。
着ないと言ってるポロシャツをここまで押せる強さ。
生きてるって感じだなー。