志の輔師匠がご自分でお作りになったお噺「モモリン」をやることがボワーーーンと決まったころ、熊本県から営業部長が毎日いらっしゃって舞台に出るという、なんか偶然というか奇跡にも近い、なんというか、つまり作為的な感じがない偶然といいますか、そんなこんなで迎えた初日。

志の輔師匠は大のくまモンファンだということは以前も書いたし、昨今では有名な話なんです。
実際、マクラでお話していたとおり、乃木坂でくまモンに出会った時に「今度熊本公演があるから良かったら来てねぇ」と言ったところ、ほんとに公演に来て高座返しをしたという、しかも複数年に渡って。
それは新聞でも取り上げられた事実で。

熊本公演は僕も複数回行っているのですが、なぜか一度も会ったことがないくまモン。
ま、別に、その、言うても、そんなにね、師匠ほどといいますか、そんなに、その、大騒ぎするほど好きなわけではないのですよ、僕はね。
今まではね。

で、初日に熊本県営業部長くまモンさんが、お偉い方々とともにいらっしゃいました。
スーツの方々と法被を着た方々とね。
ま、そらそうでしょ、一人(?)ではね、来づらいでしょーよ、驚いちゃうもん。
ていうか、ホントのとこいうと、言っちゃいけないんだろーけど、

「くまモンで来るの?」ということですよ。

こんなことね、みんなにあの時厳しく叱られたんですけどね、でもね、思いません?
だーーれでも思いません?
まず驚いたのは「くまモンが(で)いらっしゃった」ということですよ。

正直にいいましょう、大きな荷物が届いていた→熊本県の方々が来る→楽屋に入る→楽屋からくまモン出てくる。
という図式だと思ったわけで。

くまモンがいらっしゃった。
そして、その、なんつーか、くまモンでした。
図式だろーが、なんだろーが、そんなことは吹っ飛びました。叱られる理由もわかりました。

僕はそういうとこあります、うがった目です、持ってます、その目。ミッキーマウスの時も叱責されました。
だってそう思うんだモン。
でも、違いました、まさしく、まーさーしーくーー、くまモンでした。
あの方はくまモンです。
熊本県営業部長くまモンがまさしくそこにいらしたのであります。


ドーーーン。
このかたをどなたと心得る、くまモン殿でござる。
という堂々たる存在感。
そして、なんとも、なんともーーー、親しみやすい風貌。
その、くまモンを見た途端、鉄九郎さんは


虜です。
一目惚れです。
これはもうしょうがないです、人生には何度かそういう出会いがあります。
あるモン。
もう話しかけてますモンね。
おしゃべりですからね。
わーーーーーー!


見てーー、足袋はいたんだモーーン。


ホレホレホレホレーーー、足袋だモーーン。
出来上がったばかりの足袋だモーーン。
能楽堂はね、足袋でないといけないので、足袋の生地で作りましたくまモン用足袋のお披露目です。
これで、12公演勤めるのです。

きゃーーー、かわいいーーー。
写真だ写真だーーー、もう一度だーーー、鉄六ーーー、カメラを構えなさーーーい。


こっちだよーーーー、くまモーーーン。

これ初日。
1月8日です。
浮かれてるよーに見えますが、一応お伝えしますが、初日、まだ、開いてませんからね、なんか、独特の緊張感の中にいる時間ですからね、本来、いや、この日も。
そんなはずなんだけど、写真みると、マジで浮かれてますね。


ま、この笑顔のまんま、この公演は終わったのだから、ほんっと良かったです。

この日から志の輔師匠とくまモンの日々が始まったとです。