鎌沼の登りから吾妻小富士を望む 日付は2022年5月28日
福島の青い空
原発汚染水
佐藤祐禎氏の歌
「この海の魚ではない」との表示あり
原発の町のスーパー店に 平成元年
佐藤祐禎氏(1920年~2013年)は大熊町出身で福島県歌人協会の会長さんなどをされていた方である。平成元年(1989年)にこういう歌を作っていた。
原発爆発の22年前である。22年前の大熊町のスーパーは
”この魚はこの海でとれた魚ではないぞよ”と表示していたという。
そうしないと誰も買ってくれないからだ。
当時から原発の汚染水は海に流されていて、22年前ころにはその影響がはっきり確認されていたということである。
すなわち奇形魚のことである。
大熊町の人たちはスーパーの魚も買わなくなっていたんです。佐藤祐禎さんがそういう歌を作ってんだから間違いありません。
佐藤祐禎さんは散々あちこちを避難させられて、最後はいわき市の寓居で2013年に亡くなられた。
政治家や町の人たちのデタラメ話は残りませんが、詩人の言葉は残ります。それも半永久です。さらに、祐禎さんは本まで出版しているからなおのことです。私は県立図書館から借りてきて読みました。
同じく歌人会の会長をしていた波汐國芳(1925年~)さんもこういう歌を残している。
”汚染進む海と思えりあれ出し
ひれ欠け魚の傾き泳ぐ”
あれ=生れる
平成14年に朝日新聞の「折々のうた」に掲載されました。
平成14年ころだから原発爆発のもう10年も前からです。佐藤祐禎さんも波汐さんも原発の影響が現実になって来たことを危ぶんでいました。
全国の海も福島の海と全く同じで、およそ原発のある海でとれる魚は、みなひれ欠け魚ばかりであろう。地元の人たちはそれを隠して、大騒ぎせず、ひそかに人づてに伝えた。
だからスーパーでは地元の魚ではないことを表示していたのだ。
佐藤さんも波汐さんも浜の人だから、次第に耳に入ってきて、故郷の海の状況を心配しだした。
全国でも福島原発の立地市町村では、みんなが知ってるのに、公にされたことはありません。誰かがストップしてんです。
それはひれ欠け魚であり、流産であり、死産であり、異常な胎児であり、それをひた隠しにしてきた。
その結果が原発事故であった。
全国の漁港でも福島の漁港でも、水揚げされるとまず最初に、奇形魚を取り分けるんである。そして素早く廃棄してしまう。それは今でも原発の海のある漁港では日常にやっているはずである。
公の被ばくや海の汚染よりも自分たちの当面の生活が優先されてきたんである。魚を食った人のことなどどうなってもいい。しょうがねえ。究極のニヒリズムである。
佐藤祐禎氏の歌
原発に漁業権売りし漁夫の家の
甍は光りて塀高く建つ 平成元年
原発建設時に漁師は東電に漁業権を売り渡しました。その時漁夫の家は立派な家に変わりました。今は誰も住んでいません。
でも漁業をやめたわけではありません。補償金をもらってからも漁業を続けていたんです。全国の原発立地市町村の漁業者はみなそうではないですか。
自分の家だけ立派に建てて、魚が取れると奇形魚をえり分けて、拝見のいい魚ばかりを市場に出していたんである。ふざけた話である。
これは福島の漁業者ばかりか、全国の漁港で今行われているところです。日本の海はすでに放射能で全域侵されて、人の食える魚などいないのではないのか。
ノルウェー沖などやイギリスなどの北海沖の魚も東シナ海も南シナ海もあぶない、あぶないである。
世界の海はみな回流しているからどこでもあぶないのであるが、今のところ、アラスカとか、北米の太平洋岸沿岸とか、南太平洋の海ぐらいしか安全なところがないのではないか。
世界の原発では汚染水をタンクで貯蔵しているなどとは聞いたことがない。何十年もたれ流してきたんである。
世界中の原発も、原潜の汚染水も、核燃料処理場もみな海に垂れ流してきたんである。イギリスなんかひどいものである。
世界中がヒレ欠け魚なんである。すなわち腐海の海。
腐海の海=放射能で汚染された海のこと。宮崎駿の造語、「風の谷のナウシカ」。
そういう魚を食わされてきた世界の人たちは奇形児や異常出産や
流産やらでどんどん人口が減ってきている。奇形児はすぐに隠されるからである。
関係者は口を拭って話さない。原発爆発してから11年であるが、いずれは明るみ出ると思ってきたが、今でも明らかにされていませんね。隠していると地獄に落ちるぞ。
原発関連の異常児のことは私は25年以上前から知っていました。
原発の近くの市町村で異常児の出産が多いということである。
これはほんとのことだから、すでに明らかにされていると思うが、私は聞いていない。異常児は有名な話だからだ。産科の医師とか、助産師から必ず発表される。と思う。
今までは地域の縛りとか、遠慮があって公にされて来なかったが、今は避難して11年になり、地域社会とはフリーである。当然真実が出てくるころである。びっくりするな。
原発汚染水を海に流してしまえと決定した総理大臣の顔。まわりの飾りはスパイクたんぱく。