では一つ目、「黒田博樹は元々完投できない投手だったのに会見での発言はおかしい」という指摘。
……これ、単刀直入に言いますね。
この論を唱えた奴、信じてる奴、この論に従って黒田の引退会見の内容を批判してる奴は“お馬鹿さん”以外の何者でもありません。
何が根拠か?単純な数値の話です。
それも難しいものは必要ありません、黒田の完投数こそが、これが虚言であることを示しています。
黒田博樹のNPBのみ通算での完投数は76試合、このうち渡米前にあたる1997-2007までの十年間で積み重ねた完投数は74。実に97%の完投数を、MLB移籍前に稼いでいる計算です。
先発登板での完投率は30.3%。3試合に1試合は確実に完投する計算になります。
この数字がどれほど「黒田が完投できる投手」であることを証明する数値か、少し詳しく検証してみましょう。
まず、黒田が「セリーグの投手である」という点を考えてみてください。皆様ご存じの通りセリーグにはDH制度がありません。
打線との兼ね合いもあるとはいえ必然、
投手が打席に立つ=代打を送られやすい≒完投がややしにくい
という環境が生まれます。黒田が打撃がよい投手なら話は別ですが、通算打率.072、通算OPS.202を「強打者」という人間はおそらくこの世にいないため、彼もまた「順当に代打を出される程度の打撃能力」です。
そうした中で「3試合に一回の完投」というのは、かなり高い数値であるということができます。
例を挙げるならダルビッシュ有との比較が丁度いいでしょう。
彼の実力は今更語るまでもありませんが、そんなダルビッシュのNPB時代の完投率は「33.5%」という数字になります(164先発で55完投)。
パ・リーグ、DH制という「恩恵」があり、自身も圧倒的な実力を持つダルビッシュでも完投率は33%、つまり黒田とほとんど変わらないのです。
勿論野球を「ほんのちょっぴりでも」知っている人間なら、ダルビッシュに「スタミナが無い」、「完投できない投手」などというレッテルを貼る人間はいないでしょう。
逆説的にいえば、そのダルビッシュと「完投をこなすのがより厳しい環境であるセリーグにあって」同水準の完投率を誇る黒田は、「十分に完投できる投手であった」と結論づけることが出来ます。
更にいえば、彼の完投率は引退直前の2年間では2.5%(50先発で2完投)にまで下落しています。これは渡米前の1/15の水準、かなりの低下ですね。
そのため、仮に「パワプロとかでしか野球を知らない奴らの水準・見解」に併せて黒田を「完投できない投手」と無理やり仮定しても、
前より完投できない状態になった
ことは変わりないため、どのみち黒田の引退理由は全うであり特にツッコむべきものではありません。
「黒田博樹は元々完投できない」
この結論は、「何の根拠も無い大嘘」であると、ここに証明できます。
余談ですがこの論を唱えた某ブログ、例のエセ関西弁を喋る掲示板で「(珍しく)
正論だ」と何故か賞賛されていました。
ああいうのを「正岡民」っていうんですかね。よく知りませんが。