吐夢の映画日記と日々の雑感 -2ページ目

吐夢の映画日記と日々の雑感

ご訪問ありがとうございます。
懐かしい名画、最近の気になる映画のことを

日記形式で書いています。

戦前のフランス映画が大好きです。

あなたはどんな映画がお好みですか??

 

 

           コーヒー・ブレイク  ドロンさんとサガン嬢の時代のパリ


 



こんばんは。いつもご訪問ありがとうございます。

今夜はちょっと休憩してライトに進めたいと思います。


ブラームスはお好きですか?


ひところ流行った言葉ーーー



★ 石坂洋次郎の小説を卒業したあと

わたしは今度は,原田康子にかぶれた.

(挽歌)という小説は衝撃的でした。



羊ヶ丘にすむ美しい夫人と知り合った兵藤怜子は、その夫

桂木とも知り合う.その夫人にあこがれを持っていたが

夫人には、若い恋人がいて、怜子は意地悪をしたくなり

桂木にそのことを告げ口する.

身体の弱い怜子は僻みっぽく内交的なくせに大胆で

平気でそんなことをする.

しかし次第に桂木に魅かれはじめ二人のあいだに

複雑な感情が生まれ出す.

とまあー若いということは=残酷でもあり人を平気で

傷つけるものである.

少女心にこの兵藤怜子に感情移入して、

わたしも桂木のような”男”を探したが、

見つからず仕舞いだった.

 



ドリーミー エイジは続く...。


時を同じくして、フランスに

フランソワーズ・サガンという女性作家が登場した。


すぐに私はF.サガンにかぶれてしまった。

(挽歌)の玲子と『悲しみよこんにちは』のセシルの香りがすこぶる似ていたからだと 思う。


(悲しみよこんにちは)

(ある微笑)、

(一年ののち)

(ブラームスはお好き)、

(熱い恋)、

(優しい関係)、

(冷たい水の中の小さな太陽)

(心の青あざ)

 と、ずーっと発売される新刊を待ちわびた。

そして作品は次々と映画化されていった。



(悲しみよこんにちは)   F.サガン

美しいコート ダジュールの海岸、サントロペの白い別荘、

青い海に浮かぶヨットの上の太陽と海と恋




少女の名はセシル

少女の父親はやもめの富豪.

父とその恋人アンヌと3人でバカンスをサントロペの別荘で

過ごすことになる.

セシルはアンヌを好きだけど父の恋人としては認めたくない.

少女は、意地悪をして、その結果がアンヌの車での事故死を

招くことになる.

と、大筋はこう言うことだが、この小説の中に(仏)独特の

セシルの行動、内面、父の放蕩、悩み、苛立ちとかが、あの国

独特の解釈で繰り広げられる。



恐らく、この作品はサガン自身がモデルであろうと思われる。.

パリの社交界花であり、恋のうわさも二つや三つではない.

ただ、少女の多感な時期特有の残酷になる瞬間を見事に

著わしていることで類似している.


(ブラームスはお好き)・・

   

この作品は同じくアメリ映画で≪さよならをもう一度≫・・Goodbye Againという題で

映画化されました。

結婚に失敗した二人の中年の男女がいる.(ポールとロジェ)

(男性は43歳、女性は39歳 )

二人は恋人でお互いの生活を干渉しない.5年になる付き合いだ.

ロジェは女誑しで女とみればちょっかいを出すが

スマートでダンデイだ。

ポールはインテリアデザイナーで美しいマダム。

ある日女は仕事である家に行く  そこで若いハンサムな

坊ちゃん弁護士(25歳)--フイリップ)と出遭う.

坊ちゃんはたちまちマダムにイカレてしまうのだ.

 



このトライアングルの話しが実におしゃれに書かれている.

ある日、ポールはドアのしたに一通の速達を見つける。

ーーー六時に.....でとてもいい音楽会があります.

   ----ブラームスはお好きですか?---

中年になり、しわも気になりだしたポール・

40代ともなれば、ワグナーを聴く年齢だ.(ここが、フランス的よねー)

突然若い頃にもどったポールはフイリップとデイトを重ねる。

一緒に住むようになるポールとフイリップ

が自分の顔をかがみで見るたび悩む.もうすぐ40歳のポール.

フイリリップは若すぎる。

別離の日は来る。いや、作るポール。

フイリップは言う.

”人生は女の日記じゃない.古くなった経験の続きでもない”

ーーーー傷ついて出ていくフイリップにポールは言うーー

”フイリップ、フイリップ、私、お婆さんなの、お婆さんなの”

 

もう、絶叫に近いポールの叫び・・

フイリップは目に涙をいっぱい溜めて階段を駆け下りていた.

この3作を映画で、観たい観たいと長年思っていて、

30代にやっと3作とも観ることが出来た。


さて、この作品お楽しみの配役をば書き連ねましょう!

(挽歌)

兵藤怜子ーーー久我美子

桂木  ーーー森 雅之

桂木夫人ーーー高峰三枝子


(悲しみよこんにちは)

セシル ーーージーン セパーグ

父   ---デヴィッド ニーヴン

アンナ ---デボラ カー

ちなみにヘアーの形  ”セシル カットは、この作品のセシルから流行り、

付けられネーミングです.

(わたくしも今ではおばばですが、高校生時代の若かりし頃に、 セシルカットで通しました。)

さて、

(さよならをもう一度)


ロジェ ---イヴ モンタン

ポール ---イングリット バーグマン

フイリップーーアンソニー パーキンス

フイリップ  この役は彼を除いては成功しなかったと思える程の的を得たキャステイングだと思います。

まさにパーキンスそのもので

あらゆるシーンでその魅力を撒き散らしていた.

バーグマンの衣装はC.デイオールが、担当しまさに

大人の本当のおしゃれを教えてくれた映画でもある.



そして、

ブラームスの作曲した

最も美しいメロデイと言われる交響曲第3番第3楽章(ポコ.アレグレット)を

アレンジした主題曲(グッドバイ.アゲイン)を唄うダイアン キャロルの姿は、

パリと愛の哀しみと孤独に満ちていた。



この曲をいつか長年やってきたエレクトーンで弾きたいと思っていたが

その後、演奏会でJAZZにアレンジして弾く機会を得、

長年の夢を果たせました。

それも遠い昔の出来事です.
 
映画は大ヒットでした。が、欲を言えば私はポールの役を本当のパリのマダムである

ダニエル・ダリューでキャステイングして欲しかった・・・ヒットしたかどうかは別として!!

  

  ↓
 にほんブログ村 映画ブログ 映画備忘録へ
 にほんブログ村 

 

★アラン・ドロンが1957年末すい星のように現れて時代の寵児、スターへの階段を上り始めました。

彼が生まれたのが1935年

奇しくもサガンも1935年生まれ、そして彼女もパリ社交界の華となった。そして2004年に花は散って行った。

 

サガンのその頃のことは、

カトリーヌ.ドヌーブの『別離』紹介のなかで

 

しっかり述べていますので、そちらで読んでくださいませ。


その頃のパリ・・・新しいパリの匂いはどんなものだったのでしょうね。


サガン嬢が羽ばたき、ドロンさんが羽ばたき始めたパリを覗いてみたい・・・・・・