『トスカーナの休日』

 

 

 

 

 

 

 

    女性が好きになる映画 第二夜

 

いつもご訪問をいただきありがとうございます。

 

2004年、仕事で東京に出かけた折に、

 

渋谷のパルコの1Fに『トスカーナの休日』の

 

封切りのポスターがかかっていたのをよく覚えています。

 

この作品、単純にいえば、離婚した女流作家が傷心を癒すために

 

トスカーナへ旅行に出かけ、ひょんなことから

 

そこに住み着くことになり、失ったもの以上のものを手に入れ、

 

恋人まで出来て・・・

 

絵にかいたようなありふれた話なんです。

 

嫌いではないんですよね、こういう作品も。

 

原作が200万部のベストセラーということで、平凡な話でもなにか魅力があるんですよ。

 

そしていいのは、トスカーナの自然と街並みの映像が

 

すこぶるキレイで素敵で旅行気分が味わえる。

 

 

ダイアン・レインが30代最後の作品。

 

監督・脚本    オードリー・ウエルズ

 

キャスト

 

フランシス          ダイアン・レイン

 

パテイ           サンドラ・オー

 

キャサリン         リンゼイ・ダンカン   

 

 

ものがたり

 

女流作家フランシスはこのところスランプが続いていて、小説がかけていなかった。

 

ある日、後輩の若手の作家かデビューということで、

 

フランシスは出版記念パーテイーに来ていた。

 

そこで男に声をかけられた。彼も作家だが、

 

フランシスに自分の本を酷評されたとかで、怒りをねちねちとぶつけた。

 

嫌味たらしく、フランシスの夫が浮気をしていると捨て台詞を残して消えた。

 

話は本当だったが寝耳に水の話だ。

 

弁護士を通して夫が要求してきた内容は、

 

自分は浮気をしたくせに

 

生活費を稼いでいたのがたまたま

 

フランシスだったせいもあり、

 

慰謝料と共同名義の家の権利を渡せというものだった。

 

浮気相手はすでに妊娠しており、その家をことのほか気に入ったとかで結局、

 

慰謝料の代わりに家を渡すことになった。

 

そして、フランシスは腹をくくって、家を明け渡す。

 

家具類一切持ち出すことなく、段ボール箱3ケで出ていくのだった。

 

行先は親友のパテイが離婚者収容所と呼ぶ離婚者ばかりが住んでいるアパート・

 

スランプの上に宿無し、金なし のフランシスを励まそうと

 

パテイは食事会を開いてくれた。

 

その時に自分は同性愛者で、人工授精で妊娠したことをフランシスに告げ、

 

そのために予定していたイタリアのトスカーナ旅行に

 

行けなくなったのでフランシスにプレゼントするという。

 

かくて、フランシスはトスカーナ巡りのバスの中の人となっていた。

 

ツアーはゲイのカップル専用のツアーで女性はフランシスだけでした。

 

コルトーナの町を歩いていて(プラマソーレ)と呼ばれる築300年の古い家を売却...の看板を

見つけた。

 

フランシスと同年配の女性が“買うの”と聞いてきた。

 

“いえいえ”。

 

しかし走り出したバスが、一時停止した時に

窓からその(プラマソーレ)が見えた。

 

プラマソーレの意味は憧れを追い続ける  

 

という意味合いを持つ言葉だそうです。

 

フランシスはバスを止めてもらって降りた。

 

そしてその家へ入っていったのでした。

 

先客がいたものの結局、フランシスに買ってもらいたいという老婦人。

 

仲介の不動産屋マルテイニはとても親切で

 

フランシスに好意を持って接してくれ、商談はうまく成立。

 

なんせ家は伯爵が元住んでいたとはいえ、

 

ごみとほこりと蜘蛛の巣とこのまま住めるものではない。

 

改装することにしたフランシス。

 

マルテイニが工事人や手伝いを世話してくれ、

 

成り行きからフランシスはコルトーナの田舎に住むことになったのである。

 

工事人は三人。ポーランドからの出稼ぎの若者たち。

 

 

配管は近所のじい様。オリーブ農家のオヤジも混じっている。その娘も。

 

工事人のひとりパヴェルがその娘キアラに一目ぼれ。

 

ある日、オリーブ農家のキアラのおやじ様から夕食会に招待されるフランシス。

 

その夕食会にはコルトーナで出会った女性も来ていて彼女は少し変わっていて、

 

自分は監督フェリーニに認められた・・・・というのが自慢だ。

 

キャサリンという。人生に消極的になっているフランシスにアドバイスをした。

 

フェリーニの言葉。

 

“多くの可能性に向かって生きろ!子供のような情熱があれば道は開ける”と。

 

大きな家に一人暮らすというのはやはり心細いもの。

 

フランシスは呼んだマルテイニの前でとうとうほとばしるように溢れる涙を止めることが出来なかった。

 

マルテイニは抱きしめたかったが、妻子のある身、そこは理性でぐっとこらえた。

 

クリスマスがやってきました。

 

フランシスは町の広場でマルテイニ家の家族と逢う。

 

そしてフランシスとマルテイニは良き友人関係を作っていくことになる。

 

工事の職人たちはフランシスの手料理を振舞ってもらい、そうやって

 

家族のようになっていくのだった。

 

パベルとキアラは恋人関係に進展していて、本気のようだ。

 

キャサリンは自由奔放で、恋愛もそうだったが、

 

フランシスはうらやましく思いながらも、一歩前に踏み出せずにいた。

 

ある日、フランシスはローマに買い物に出かけた。

 

その折に男たちに付きまとわれて困っているところを

 

男性に助けてもらった。

 

が、砂浜を一緒に散歩するうちに、

 

その男性に口説かれてしまった。

 

マルチェロという名のイケメンだ。

 

そしてその夜のうちに一線を越えてしまった。

 

フランシスはマルチェロと週末にもまた会う約束をして、

 

コルトーナに帰っていった。

 

週末がやってきましたね。うきうきと出かけようとしたところなんと・・・

 

パテイが大きなおなかを抱えてやってきたのです。

 

デイトはお預けになってしまいました。

 

パテイはここで出産するつもり。家族がまた増えました。

 

キアラ達カップルがフランシスの寝室を勝手に使ったことで

 

さすがに彼女は怒りました。

 

が若者の情熱がまぶしい。うらやましい。

 

ふたりの結婚に反対するおやじ様。フランシスは

 

二人を応援しようと思いました。

 

パテイが出産しました。女の子です。

 

ちょうど家の改装工事も終わりました。

 

すっかりきれいで素敵なインテリアはフランシスを

 

満足させましたが

 

赤ん坊を抱いているパテイを見ていると、

 

どんどん孤独を感ぜずにはいられません。

 

やっとマルチェロに会いに行ける時間が取れました。

 

白いドレスを新調して出かけましたが、数か月の空白の間に

 

マルチェロは新しい恋人を作っていたのでした。

 

 

家族もいないパベルにおやじ様は大事な娘はやれぬという。

 

フランシスは言う。“私が彼の家族よ。

 

パベルとキアラの結婚式。

 

マルテイニは“フランシスに”やっと願いがかなったね。

 

この家で結婚式を挙げたい。家族が欲しいと言ってたことが叶ったね。“

 

フランシスは幸福感を味わいながら、ソフアーに横たわったとき、男性が声をかけてきた。

 

あなたに自分の本をけなされたおかげで次の作品が書けた。

 

あなたがここに住んでいると聞き旅の途中で寄りました。感謝を伝えたくて。

 

なんかいい予感ですよねーー-ここまでで......

 

あとはご想像にお任せいたします。

 

悩みもあり、苦しいこともあるけどなんだか経験してみたいなあって女性は思うのではないかしら。

 

フランシスの再起する過程がていねいに描かれていてダイアン・レインの巧い演技と共に拍手。

 

登場人物も個性的、優しさあふれる人達。極上のワインでもいただきながら見るのもいいかもです。

 

ウイーンからヴエニスに続く線路は列車がいつ走るかわからないのにいつか走ると信じて作られていた。

 

信じ続ければ願いはきっと叶う・・・・いいラストシーンでした。

 

トスカーナの州都はフイレンツエ、ピサやルッカなど歴史ある遺跡や大聖堂など、紺碧の海・・・・

 

行きたいなあ!

 

 

 

監督のオードリー・ウエルズさんて、アメリカ版の  Shall  we  dance? の脚本を書いておられるのですね。

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