≪リラの門≫・・フランス映画を今一度・・ルネ・クレール監督・1957年度〔仏〕 | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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懐かしい名画、最近の気になる映画のことを書いています。

好きなのは戦前のフランス映画です。

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      ≪リラの門≫

 

 

     
     
    こんばんは。二ヶ月も投稿をお休みしていました。
 

ぼちぼち復帰しようと思います。またお越しの程
 

よろしくお願いします。

ルネ.クレール監督

キャスト
ピエール・ブラッスール    ジュジュ
ジョルジュ・ブラッサンス   楽士 
アンリ・ヴィダル       バルヴイエ


ピエール・ブラッスールと言えば、かの名画・≪天井桟敷の人々≫で
 

個性の強い女たらしの俳優ーーフレデリック・ルメトールを
 

演じていた名優である。顔はきりっとした男前でしたが。
 

この方も変幻自在の怪優で、
 

≪リラの門≫ではちょっとこそこそ悪さをするろくでなしではあるが
 

お人よしのところもある憎めない人物を好演している・
 

ルネ・クレール生誕120年ということで2019年に
 

劇場公開され、つい最近
 

テレビ放映されました。
 

久しぶりに投稿するならばと
 

懐かしのフランス映画を何作か取り上げてみようと思います。

ホームレスとまでは行かないが怠け者で大酒のみ、
 

いきつけの居酒屋では盗み酒をしようといつもカウンターの中の
 

お酒をねらってマスターの動きを見ながらあわよくば・・・と
 

毎日やってくる。その行動はともかくも人の良いこの小太りの男ジュジュは
 

リラの街のみんなから愛されているのだ。中年もとうに過ぎたギター弾きの
 

楽士という名の友達がいた。ジュジュと楽士はお隣さん同士。


 

ジュジュは年老いた母と可愛い妹と暮らしていた。
 

ジュジュはいつも隣の楽士のところに入りびたりで
 

楽士はイツモギターを弾いて歌を歌っていた。
 

ある時ジュジュは楽士に”自分が金持ち

 

になったら何でも買ってやる”と云った。
 

楽士は”そうだな フオアグラが食べたいな”と応えた。
 

街にお尋ね者が逃げ込んできたといことで警察官が見回りにくるなど
 

騒々しい日。
 

何故か警察官を見るとジュジュは反射的に身を翻す。
 

ドラッグストアにたまたまするりと入ると目の前の棚に
 

缶詰がずらりと並んでいた。よく見ると フオアグラと書いてあるではないか・


ジュジュは一個、二個とポケットに缶詰を突っ込んだ。
 

三個、四個と懐も膨らみすぎるほど詰め込んだ。

そして帰って楽士に見せた。ところが見回りのおまわりさんがやってきたので
 

家の前の石の山の中に全部隠した。
 

そして、この家とも言えぬ小屋に見知らぬ男・・つまりお尋ね者が逃げ込んできた
 

のだ。名をバルビエという。しかし、ジュジュと楽士はおまわりさんが
 

回ってきても何のことだか分からず、逃走中のお尋ね者だとも分からずに二人は
 

彼を歓待しようとした。
 

バルビエは逃走中にも何人かの追っ手を殺していた。
 

だが、この男が逃亡者であることに気づき、自分たちのしたことがとんでもない
 

ことを悟ったふたり。
 

バルビエは小屋に腰を落ち着ける風で高飛びの計画を練っているものの
 

なかなか出て行きそうにはない。
 

楽士は早く前の平和な生活に戻りたいと願ったが
 

ジュジュは少し頭が弱く、無頓着、無邪気、無垢というかバルビエを羨望の
 

眼差しで見つめ、バルビエに快適な生活をしてもらおうと一生懸命に
 

努力した。
 

この逃亡者を新しい友人と勘違いしているジュジュは彼のために酒を飲むのも
 

辞め、髭もそり、変貌した。
 

その変貌が逃げ込んだ殺人犯によるものとも知らない街の人々は
 

彼の変化を喜んだ。そして・・・
 

いつも行くバーのマスターの娘マリアに恋しているジュジュは
 

新しい友人のことを打ち明けたのだった。


 

しかし、スりラー誌の愛読者であるマリアは警察に届けるどころか
 

小屋に隠れているジュジュの英雄であるバルビエに会わせてもらうのだった。
 

訪ねてきたマリアに会ったバルビエは秘密がばれたと思い、マリアを
 

巧みに言いくるめマリアの心を掴んでしまった。
 

そしてマリアを連れてきたジュジュを責めて番犬のように扱った。
 

そのうちに高飛びのためのパスポートも手に入り、後は逃亡資金を工面すれば
 

逃げ出すことが出来るところまでになった。
 

バルビエはマリアを唆し、父親の店の売上金を持ち出させ一緒に高飛びしようと
 

たくらんだ。
 

そのことを知ったジュジュは、お金だけのためにマリアを誘惑したと知り、
 

必死に止めたが、バルビエは聞き入れぬどころか、ジュジュに銃を向けた。
 

静寂が包む真夜中、三発の銃声が響いた。
 

倒れたのはバルビエだった。

1956年だのルネ・クレール作品ですが
 

ルネ絶頂期の作品です。


強盗殺人犯の絡みはともかく、戦後10年のパリの下町の暮らしが
 

とても丁寧に描かれ、笑いとペーソスが上品に伝わってくるルネらしい
 

ステキな作品です。


高校生のときにテレビ放映で見て以来の鑑賞でしたが、
 

その時に、この作品を見てフオアグラなる食材を知ったのを思い出しました。
 

ジュジュと言う人物の無垢、無知であるがゆえの哀愁が画面に漂う。

シャンソン歌手ジョルジュ・ブラッサンスが
 

友人の楽士を演じている。

逃亡犯に扮するアンリ・ヴイダルは吐夢のページで取り上げた作品としては
 

ルネ・クレマン監督の≪海の牙≫、
 

アラン・ドロンとの共演作≪黙って抱いて≫でもお馴染みですね。

以前にも書いたと思いますが、クレールは
 

ジャック・フェデー監督
ジャン・ルノワール監督
ジュリアン・デュヴィヴィエ監督、
マルセル・カルネ監督と並んで、
 

古典フランス映画・・・・フランス映画第一次黄金期におけるビッグ5と
 

称せられた。
 

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