≪ジェーン・エア≫・1940年代に輝いていたハリウッド女優さんたち① ジョーン・フォンティン  | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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        ≪ジェーン・エア≫
 

こんばんは。いつもご訪問いただきましてありがとうございます。
 

1940年代に活躍した欧米の女優さんたちにちょっとスポットを当ててみます。
 

まずは≪レベッカ≫と並ぶミステリーロマン・・・
 

シャーロット・ブロンテの≪ジェーン・エア≫
 

霧深きイングランド北東部に展開するミステリアスなラブロマン


秋の夜長・・・・
 

長くなりますが、まずは、ストーリーをゆっくりとお読みくださいませ。


1829年、イングランド。
 

 孤児になったジェーン・エアは、伯母であるリード夫人に
 

虐げられ、蔑まされる毎日を過ごしていた。


孤児院 ”ローウッド学院”の院長ヘンリー・ブロックルハーストに
 

預けられることになり、伯母はやってきたブロックルハーストの前でジェーンのことを
 

頑固で生意気で性根の悪い娘だとののしった。
 

ジェーンは
 

伯母や意地悪な従弟と別れて暮らせることをむしろ喜んだ。

行く手に苦難が待ち構えていようなど思いもしないジェーンは心浮き立っていた。
 

ジェーンは、自分に優しくしてくれた使用人のベッシーから
 

記念にと胸に彼女のブローチを着けてもらい、彼女に別れを告げた。


気の強いジェーンは、伯母リード夫人を罵倒しまくって
 

邸を去るのだった。

しかし、ローウッドにつくやいなやその喜びはあっけなく打ち砕かれた。
 

 

孤児院は衛生面も悪いが院長の意地悪な判断で暖房も避けるような
 

仕打ちを子供たちに向け、虐待とも言える冷酷なものだった。

 

だが、ひとりヘレンがジェーンに好意を持って接してくれた・



ある日、ブロックルハーストがヘレンの巻き毛を切ろうとしたため、
 

ジェーンはそれを止めさせようとした。が、

二人は罰として降りしきる雨の中を歩かされ、
 

たまたま立ち寄ったリヴァース医師は、肺病のヘレンを気遣い、
 

教師のスカッチャーに彼女らを部屋に戻すよう指示した。

ヘレンを診たリヴァースは、
 

ブロックルハーストを痛烈に非難して、彼女はもう助からないだろうと伝えた。

それを聞いたジェーンは悲しみ、ヘレンを励ましながら同じベッドで
 

一緒に毛布にくるまって眠るのだった。



翌朝、握っていたヘレンの手が冷たくなっていて、
 

息を引き取ったことを知った。

悲しみが消えないジェーンは毎日お墓の前で泣き崩れて過ごした。
 

リヴァースは、彼女に、神のみ心に従い、そして
 

生きるために必要な教育を受けるよう説くのだった。

10年が経ち、優秀な成績で学業を修めたジェーン。
 

成人したジェーンは美人ではないが強い意志を持つ
 

利発な女性になっていた。
 

”ここから出て行く日が来たわ!”

邪悪な院長は教師にすることを、理事会で提案する。
 

卒業した生徒が教師になれば少ない賃金で済むと判断したからだった。
 

ジェーンはきっぱりと断り、
 

この場を去ることをブロックルハーストに伝えるのだった。

行く当てなどないだろうと高を喰っていたが、
 

ジェーンは広告を出してガヴァネスの職が決まっていることを誇らしげに
 

伝えるのだった。

家庭教師採用の手紙の送り主であるソーンフィールド館の
 

アリス・フェアフックスの元に向かうのだった。

フェアファックスに迎えられたジェーンは、
 

主人のエドワード・ロチェスターは不在だった。
 

フェアファックスを邸の夫人だと思っていたが、
 

単なる家政婦頭であることを知ったのだった。
 

家庭教師を必要とするのは
 

貴族であるロチェスター卿が
 

フランス人の少女アデール・ヴァレンスの後見人であり彼女の世話を
 

依頼したものだった。
 

変わった人物であるという話を、ジェーンはフェアファックスから聞かされた。


翌朝、アデールに茶目っ気な起こされ方をされ、
 

今までに味わったことのない幸福感を感じるのだった。
 

この小っちゃな婦人とは仲良くなれそうだ。

 




夜になり屋敷を出て霧の中を歩いていて
 

いきなり馬に乗った男性が現れ、運悪く彼・・を
 

落馬させてしまった。


脚を怪我した男性は、不機嫌な顔をしてジェーンがどこの者かを尋ねる。

ジェーンがロチェスター家の家庭教師であると知った男性は、その場を立ち去った。


屋敷に戻ったジェーンは、先ほどの男性が連れていた犬を見て、
 

主人ロチェスター卿が戻ったことに気づくのだった。

傲慢で威圧的なロチェスターは、ジェーンの素性を知り、
 

この場に来た経緯などを聞く。
 

威圧的だがこれは彼の癖のようで感じは決して悪くはなかった。
 

家庭教師として何が出来るのか??と尋ね、
 

ピアノを弾くよう命じたロチェスター。
 

”人並みには弾けるようだなとだけ言って部屋を去った。


ジェーンは、ロチェスターがどうしてあのように威圧的なのかを
 

フェアファックスに尋ねた。
 

それには彼が抱えるある問題が関係しているようだった。


数日後、
 

話をしたいと言うロチェスターに呼ばれたジェーンは、
 

忌憚のない意見を申し述べた。

ちょうど現れたアデールが母親の話をした瞬間に、
 

ロチェスターの顔色が変わった。
 

昔はこんな性格ではなかったのだが・・と語るロチェスターは、
 

アデールの母親のせいでこうなったと言った。


ロチェスターは、ジェーンにここでの幸せを願うと伝えた・
 

そして、ジェーンもそう考えると答えたのだった。


その夜、奇妙な笑い声で目覚めたジェーンは、
 

ロチェスターの部屋が炎に包まれているのに気づき、
 

眠っている彼に知らせるのだった。

ロチェスターは、動揺するジェーンをその場に残して
 

邸の塔に向い暫くして戻ってきた。

 

ロチェスターはジェーンに何かを見たか?と尋ねた。
 

ロチェスターは、床に落ちていたロウソクに気づき
 

笑い声がしたことを確認する。


グレース・プールという変わった裁縫師がいることを
 

フェアファックスから聞いていたジェーン。
 

ロチェスターと共にアデールの様子を見に行く。

 

アデールが静かに眠っていることを確認したロチェスターは、
 

過去の身の上話をした。
 

以前恋をした、フランス人の踊り子がアデールの母親だということ。
 

その母親がロチェスターのの金を手にして
 

イタリア人画家と駆け落ちしたことなど。


アデールがロチェスターと踊り子との私生児だと知り、なぜかその不幸が
 

自分と重なり
 

哀れな子に愛情を注ぐと言うジェーン。
 

そのことによって自分が救われる価値があると告げるジェーンだった。


放火騒ぎでも救われたロチェスターは、
 

ジェーンの存在が自分の救いになると感じていたことを
 

ジェーンに伝えて感謝するのだった。
 

それ以来ジェーンの胸にロチェスターへの想いが芽生えてきた。


翌朝、ロチェスターはあるパーティに出席する予定であり、
 

いつ帰るか分からない旅に出て行った・


火事の原因を、読書中の不注意と言い残して出かけた彼だったが
 

気になるジェーンは、昨晩、彼が向かった塔を調べようと昇って行った。


 

ある部屋に入ろうとしたジェーンに、狂ったような叫び声が聞こえてきて
 

とりあえずはその場を去った。


 

ジェーンは、現れたグレースから二度とあそこには行かないようにと
 

注意を受けた。


冬が過ぎ春になっても
 

主人のロチェスターは戻ってこなかった。


 

ある日、アデールと外出していたジェーンが屋敷に帰ると、
 

ロチェスターが戻ると知らされた。心が躍る自分に驚いたジェーン。


ロチェスターは、ブランシュ・イングラムという婦人と、
 

客人を伴って帰ってきた。

どうやら婚約したらしいという噂も耳に入り
 

ブランシュに嫉妬心を感じた自分に気づいたジェーン。
 

それからはロチェスターを避ける日々が続いた。


ジェーンは、夕食後の憩いの場に呼ばれるのだが、
 

家庭教師を侮辱するブランシュの言動に傷つくのだった。


ロチェスターはそんなジェーンを気遣い、
 

彼女が自分をどう思っているのかを確かめるのだった。

ある日、メイソンという男性がロチェスターを訪ねて現れる。


 

そして騒ぎは夜起きた。
 

それを鎮めたロチェスターはジェーンを連れて塔に向かう。


 

ロチェスターは、傷ついたメイソンの様子を看視しているように
 

ジェーンに告げて医者を呼びに行った。

 

医者を連れて戻ったロチェスターはまたまた
 

叫び声を聞き、ジェーンに裏庭の馬車を確認するよう伝えた。


ロチェスターは、禁止した部屋に入ったメイソンを責めて、
 

今まで隠し通してきたことが無駄になると言って嘆く。

メイソンと医師を馬車で送り出したロチェスターは、
 

ジェーンを連れて辺りをそぞろ歩いた。


ジェーンは、裁縫師グレースが今後もこの場に居続けるのかを
 

ロチェスターに問いただすが、
 

それを否定しないばかりか、この件について深く追及することを拒んだ。


 

結婚のことを尋ねたジェーンは、いずれはする意思はあるとロチェスターは
 

応えた。
 

ジェーンは、翌日、旅立つと言うロチェスターがブランシュと結婚するものだと考え、
 

ここを出て他の職を探すべく、彼に紹介状を書いてもらおうと頼んだ。


その必要はないと言い切って
 

ロチェスターは、ジェーンに親しみを込めて別れを告げる。

 

その後、ロチェスターはブランシュを侮辱して、客人と共に追い払った。
 

ジェーンは、アデールや自分に良くしてくれたフェアファックス、
 

そしてロチェスターとの別れが辛いことを彼に語る

 

誰かと結婚するロチェスターの側にいれば
 

耐えられるはずがないと言うジェーンは、
 

お金もない美しくもない自分ににだって、怒りや感情はあると言って
 

その場を去ろうとする。


 

ロチェスターは彼女に好意を寄せていることをジェーンに伝え、
 

自分と結婚することに同意させる。


幸せな日々は続き、ロチェスターとジェーンは結婚式の日を迎える。


ところが、メイソンが弁護士と共に現れて、
 

ロチェスターは重婚罪になる・・・と
 

興奮して、結婚した自分の妹が屋敷にいることを
 

神父に伝え結婚式を妨害したのだった。

ロチェスターは結婚式を中止して、グレースが看病する正気を失った妻の元に向い、
 

教会の許可が下りずに離婚できない本当の理由をジェーンたちに告白するのだった。

屋敷を去ろうとしたジェーンにロチェスターはに
 

若さとは言え深く考えもせずに結婚したことを悔やんでいると後悔の念を
 

伝えた。

ロチェスターは、心の酷い女だと気づい時には手遅れで、
 

その内、段々と狂っていた妻のために今まで悩み、苦しんだことをジェーに伝える。

妻をイングランドに連れて戻り、屋敷を空ける生活が続いていた時に、
 

現われたジェーンに恋をしたとロチェスターは語る。

ロチェスターはジェーンの愛を確かめるのだが、彼女はお互いが不幸になると言って
 

出て行くのだった。

行き着く先もないままに
 

ジェーンは迷ったが、伯母リード夫人の元に向った。そこしかなかった。
 

優しいベッシーにも会いたかったし。
 

誰とも気づかないまま招き入れた女性の胸のブローチに気づいたベッシーは
 

目の前の女性がジェーンだと分かった。


ジェーンをいじめた従弟はギャンブルで破滅して自殺し、
 

夫人はそのショックで今は寝たきりの生活だという。

ジェーンは伯母に会い、最初は嫌みを言われるものの、
 

行かないでほしいと願う彼女にこの場にいると答える。

伯母の看病をしていたある日、ジェーンは
 

懐かしいリヴァース医師の訪問を受ける。
 

ある人物にジェーンを捜してほしいと頼まれたことをジェーンの伝えるのが
 

リヴァースの要件だった。


ジェーンは聞く意思のないことをリヴァースに伝えた。


その後リード夫人は亡くなり、家財は競売にかけられる。


 

ジェーンは、ブロックルハーストに世話になることを考えて手紙を書こうとしたが


 

ロチェスターの心の声・・・ジェーン、ジェーンという声を聞き、
 

何かあったのではと感じたジェーンは、ソーンフィールド館に戻ることを決心する。

火事で焼失したソーンフィールド館に着いたジェーンは
 

、ロチェスターの妻が火を放ち、笑い声で気がついたフェアファックスが
 

アデールを助けたことを知る。


屋根に上った妻を助けようとしてロチェスターが、
 

彼女を助けられずに階段の下敷きになった。
 

ジェーンの前に現れたロチェスターは、
 

命は助かったものの視力を失っていた。

ジェーンは声をかけた。

ロチェスターは、ジェーンの手のひらと指、
 

髪の毛と花の様な優しい顔を確かめながら、
 

哀れみはいらないと言って、自分といてはいけないと伝える。


ジェーンはこの場に居させてほしいと告げる。


ロチェスターは、行かせるものかと言ってジェーンを固く抱きしめる。


 

その後、ロチェスターの目は光を感じられるほど回復し、陽の光、やわらかな月の光、
 

そして夜空の星も見えるようになった。

二人は最初の子を抱き、息子が、
 

ロチェスターの大きくて輝くような真っ黒い瞳を受け継いでいることを
 

認識するのだっ。
 

       オワリ

大体ヒロインは美しいというのが常例であるがこのヒロイン ジェーンは
 

そうではない。が、歯に衣を着せずに言いたいことはっきりと言う態度
 

そして意思の強さが彼女の魅力・・1847年の原作だがこの当時の
 

女性像としては今までにない男女平等を唱えるようなたくましい、
 

新しい女性像である。
 

1944年の最初の映画化であるがシャーロット・ブロンテの
 

原作発表から
 

ちょうど100年経っているわけだ。
 

表面は静かで謙虚そうだが自分をはっきりと表現するこの女性像は
 

画期的なものだったろう。


監督ロバート・スティーヴンソン。
 

何度も映画化されているが1944年度の本作品がNO・Ⅰだろう


 

20代とはとても思えないオーソン・ウェルズの圧倒的な存在感。
 

ハリウッド的な華やかな銀幕の美女というには
 

ちょっと引いた感じのジョーン・フォンテインのヒロイン役も適役で、
 

≪レベッカ≫のヒロインや≪忘れじの面影≫のヒロインと並ぶ
 

滋味だけれども内面の美しさをうんと醸し出している代表作であろう。


 

大男のウエルズを下から見上げるショットは語らずして表現する魅力的な
 

シーンである。
 

主人公の娘役で可愛らしい少女の役は当時の売れっ子子役の
 

マーガレット・オブライエン。
 

けれどジェーンの子供時代を演じた天才子役の
 

ペギー・アン・ガーナーの
 

りっぱな女優としての意思を感じさせる名演技は抜きん出ている。


 

≪ブルックリン横丁≫での少女の演技を髣髴とさせた。
 

 彼女は≪ブルックリン≫でアカデミー特別賞における子役賞を受賞している。
 

そして
 

ヒロインを見守り励ますリヴアース医師のジョン・サットン、
 

ヒロインの伯母役のアグネス・ムーアヘッドは後年テレビドラマの<奥様は魔女>で
 

サマンサの母親役で人気でした。
 

この伯母の使用人ベッシーで、ジェーンに優しく接するサラ・オールグッド、
 

確か・・≪わが谷は緑なりき≫でのお母さん役??だったかなあ。
 

冷酷な孤児院の院長ヘンリー・ダニエル、
 

ソーンフィールド館の家政婦頭エディス・バーレット、
 

主人公と結婚が噂される令嬢ヒラリー・ブルック、
 

その母親バーバラ・エヴァーレスト、
 

主人公の義兄ジョン・アボット、
 

妻を看護、監視するグレース役のエセル・グリフィス、
 

そして、ヒロインの少女時代の親友・・ヘレンの役で
 

子供時代のまあ何という美少女か・・・可愛いエリザベス・テイラーも
 

出ています。


 

また、先の1939年に撮られた妹のエミリー・ブロンテ作の
 

≪嵐が丘≫と見比べてみるのも面白い。
 

監督はウイリアム・ワイラー
 

ヒロインのキャシー役はマール・オベロン
 

ヒースクリフ役はローレンス・オリビエ

 

 

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