≪危険なささやき≫・ドロン監督作品・・アンヌ・バリローとの出会い・・ 1983年度 | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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戦前のフランス映画が大好きです。
基本、鑑賞後の感想ですのでネタバレが殆どです。
ご了承くださりませ。

   アンヌ.パリロー...との出会い・・

 

     

 

     ≪危険なささやき≫

 

ドロンの監督第一作目。

 

で、

 

ドロンさんがこの作品のために見出した女優...

 

アンヌ.パリロー...

 

  9年後に ニキータ でブレークするわけだが

 

今回の役どころは

 

ニキータとは正反対の天然ボケと愛らしさ。

 

どこかマリー.ラフオレとジェーン.バーキンを

 

ミックスさせたような魅力。大好きなタイプの女優さんです。

 

 

 

  まず、彼がどんな監督と組んでどんな作品を

 

送り出してきたか...列記してみますね。

 

彼のプロデユースしたものもたくさんあります。

 

商才にたけた彼はこれと思うものをプロデユースしています。

 

  ☆ルネ.クレマン
     太陽がいっぱい、生きる歓び、危険がいっぱい、
     パリは燃えているか

 

 ☆ルキノ.ヴイスコンテイ 
     若者のすべて、山猫

 

  ☆クリスチャン.ジャック
     黒いチューリップ

 

  ☆アンリ.ヴエリヌイユ
     地下室のメロデイー、シシリアン
  
  ☆ミケランジェロ.アントニオーニ
     太陽はひとりぼっち
  
  ☆マーク.ロブスン
     名誉と栄光のためでなく
 
  ☆ジュリアン.デヴイヴイエ
     悪魔のようなあなた、フランス式十戒

 

  ☆ジャン.ピエール.メルヴイル
     サムライ、仁義、リスボン特急

 

  ☆ロベール.アンリュ
     冒険者たち

 

  ☆ジャック.ドレー
     太陽が知っている、 ボルサリーノ、ボルサリーノⅡ
     もういちど愛して、ポーカー.フエイス、
     フリック.ストーリー 友よ静かに死ね

 

  ☆テレンス.ヤング
     レッド.サン

 

  ☆ジャン.エルマン
     さらば友よ

 

  ☆ジョセフ.ロージー
     暗殺者のメロデイー、パリの灯は遠く

 

  ☆ジョセフ.ジョバンニ
     暗黒街のふたり、ル.ジタン、ブーメランのように

 

  ☆ドウッチョ.テッサリ
     ビッグ.ガン、 ゾロ

 

  ☆ジョリュジュ.ロードネール
     チェイサー

 

  ☆アラン、ドロン
     危険なささやき、鷹

 

  ☆ベルナール。プリエ
     真夜中のミラージュ

 

  ☆ジョゼ.ピネイロ
     私刑警察

 

  ☆ジャン.リュック、ゴダール
     ヌーベル.バーグ 

 

  ☆パトリス、ルコント
     ハーフ.ア.チャンス

 

ドロンがプロデユ-スした作品は十数本に及ぶが、

 

監督も数本手がけた。

 

ここに羅列した作品は彼の全作品80本のうちの一部ですが、

 

観て損の無いものばかりです。

 

こうやって観てみると作品の特徴が良くわかります。

 

ルネ.クレマンはサスペンスに徹しているし、

 

ジャックドレーはおしゃれで時にコメデイーっぽく、

 

時に風刺を込め、時にシリアスな刑事ものを送り出している。

 

ジョセフ.ジョバンニ監督は

 

正義と社会悪に猛然と立ち向かう作品を

 

メルヴイル監督は男の美学を徹底した作風。

 

 

ジョセフ.ロージーは自らの戦時体験を基盤に

 

ナチへの抵抗を...

 

 

ドウッチョ.テッサリは痛快活劇、

 

 

ジュリアン.デヴイヴイエは往年の切れはなくとも人間風刺を、

 

 

ミケランジェロ.アントニオーニは不毛の愛を描いて秀逸だし、

 

アンリ.ヴエルヌイユは痛快暗黒映画を。

 

引退作.ハーフ.ア.チャンスのルコントは

 

彼の作風が出ていずとも、最後の作品をきっとおしゃれで

 

楽しい娯楽ものの一級品を作りたかったことが覗える。

 

そして、五つ星マークがつくような力作は殆ど、アランが

 

製作している..ことも見逃せない。

 

幸せにも、こういった優れた監督たちと組んで仕事をしてきた彼は

 

自分の監督作品にいろんな監督の要素を織り交ぜて

 

メガホンを撮ったように思う。

 

 

時代遅れだとか、ハリウッドものに比べて迫力がないなど

 

言われてもきたが、それがフレンチスタイルなのだという

 

認識の基に観て欲しいものである。

 

 

 

そして、共演に≪情婦マノン≫や≪美女と野獣≫、

 

≪アンリエットのパリ祭≫などで知られた往年の二枚目、

 

ミシェル.オークレールが、

 

元刑事の老私立探偵としてアランの相棒を務めている。

 

 

もうひとり刑事で元同僚のコッチオリ刑事に

 

ダニエル.セカルデイーが出演している。

 

この人もドロン作品の常連さんです。

 

脚本がとてもーー私好みーーの娯楽作品で、

 

この4人の会話がとても好きなのである。

 

 

もちろん脚色はドロンさん。(クリストフアー.フランクと共同脚本)

 

ストーリーは私立探偵二人と人妻秘書が事件に立ち向かうと言う

 

単純なストーリーであるが、その脚色の面白さと

 

効果的な音楽が魅力となっている。

 

クリスタル.ゲイルの ♪瞳のささやき♪

 

ニール.ダイアモンドの♪セイ.メイビー♪が

 

全編に流れて効果をあげ、

 

往年のヒット曲 ♪小さな花♪が挿入曲として

 

非常に郷愁をそそる。

 

”バカ!”アラン..のジュカスが言えば、

 

”アホ!”とアンヌ...のシャルロット。

 

”首にしてやる”...ジュカス

 

”首になったのでは?”とコッチオリがシャルロットに聞くと、

 

 

”ベッドで許してもらったの”と嘘を、いけシャーシャーとボケる。

 

 

タルボン(オークレール)とジュカスとシャルロットの三人が

 

彼女の手料理を食べるシーン。。。

 

 

探偵様二人は事件の話に夢中。

 

”旨いの?まずいの?”と彼女。

 

”.....?”ふたり。”ああ旨い最高だ!”

 

”秘訣を知りたい?”と彼女。

 

事件の話を続ける..ふたり。

 

”尻の穴にチーズを詰めるの”とシャルロット。

 

”コッテリオ(刑事)の尻にか。。。?”とふたり。

 

”違うわよ。ほろほろ鳥よ、今夜のあなた達おかしいんじゃない”   ときた。

 

”もう、キューカーで口直しね!ボケッ!”と彼女。

 

”それってデザートか?”とタルボン。

 

”ボケの旦那!、彼女は映画狂なんだ。”とジュカス

 

”.....?”タルボン

 

全編こういったちぐはぐさと 間抜けさと 事件に突進と 

 

 スピード感溢れる運び。

 

ジュカスはオートバイに乗り、カーチェイスもあり、

 

最後はいつものように半死状態に敵にヤラレル。

 

病院のベッドで.....

 

右足は吊るされ、左足は吊るされないまでも包帯でぐるぐる巻き。

 

両手は上から吊るしてあるポールにかけたまま、

 

顔は右目と口の一部だけが出ていて、頭も包帯でぐるぐる巻き。

 

ーーさよならーーするタルボンに

 

両手の指と両足の指でーーさよならーーするドロン様の

 

ユーモラスなこと。

 

人妻秘書は”亭主と別れたわ!””知っておいてもらいたいの!”

 

アランの右目はでれーっと下がるのでした。。

 

 

アンヌがとてもいい。

 

タルボンのオークレールも枯れた穏やかさがいいし、

 

コッチリオのダニエルもとぼけた名演技。

 

そして

 

ドロン様は、いつものような流し目も無く、

 

母性愛をくすぐるような眼差しも無く、

 

哀愁に満ちた眼差しも無く、

 

普通の男性、、、父性愛を感じさせてくれる

 

言葉は荒いが優しい男を魅力的に見せてくれる。

 

 


楽しい音楽に乗ってアクションも推理も楽しめる作品です。

 

ストーリーも面白いですが、とにかくこの4人の

 

関係と会話を楽しむ映画です。

 

決して品の悪い4人ではなくて、

 

澄まして、”クソッ”  ”ボケッ!”

 

     ”アホッ!” ”バカ!”

 

     ”うるさい!”

 

 

だけど、みんな眼は笑っているのよーー! 

 

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