≪雨のニューオリンズ≫

   

テネシー・ウイリアムズ原作

 

こんばんは。

 

いつもご訪問ありがとうございます。

 

今夜は・・・・。

 

テネシー・ウイリアムズ原作の作品は

 

欲望という名の電車、バラの刺青、熱いトタン屋根の猫、去年の夏突然に

 

を取り上げました。

 

テネシー・ウイリアムズの幼い頃、

 

父親は留守がちで粗野で暴力的、酒と賭博が好きな人で

 

夫婦仲も悪く、喧嘩が絶えなかった。

 

病気がちでひ弱なテネシーの性格がゆがんでいくのは避けられなかったようだ・

 

晩年の彼は死や孤独に対する恐怖から、

 

アルコールやドラッグが手放せない生活になり、1983年に

 

ボトルの栓を喉に詰まらせ窒息死している。

 

 

彼の作品に登場するヒロインは、

 

家族に対する直接の抗議であると思われるような気もする。

 

欲望という名の電車 のブランチや、ガラスの動物園 の ローラなどは

 

彼の母親や姉がモデルであるらしい。

 

姉は精神障害で生涯を精神病院で送ったらしい。

 

どの作品をとっても、登場するヒロインはみんなどこかが狂っている。

 

だから、どこかで歯車が狂い、人とのコミュニケーションがとれない。

 

今夜の作品に登場するナタリー・ウッド演じるアルバという女性も

 

育った環境と関わったまともではない人物の影響によって

 

何かを勘違いして生きているような女性だ。

 

シドニー・ポラック監督

 

フランシス・フォード・コッポラの脚本でテネシーのじめじめとした特徴は

 

さらにじめじめ感を増し、原作の色濃さをくっきりとあらわしている。

 

監督:シドニー・ポラック

 

主題歌  ♪wish me a rainbow♪ いいですね。

 

 

衣裳デザインは、この時代引っ張りだこだった、イーディス・ヘッドです。

 

前半のアバズレ的なファッションと

 

後半の地味で清楚なファッションの対比がヒロインの心情をくっきりと

 

あらわしている。

 

 

孤児娘のウィリーが、一人で wish me a rainbow を歌いながら

 

線路の上を歩いていると、トムという少年が話しかけてくる。


ウィリーという女の子は、少し頭がイカレているかのように見える。

 

テネシーが造った架空の田舎町ドッドスンが前半の舞台・

 

ドッドスンの駅前にあるスターという名の

 

酒場兼下宿屋を営んでいた今は廃れた建物がある。

 

ウイリーはそこに昔家族と住んでいたころの話を始めた。

 

ドッドスンはニューオリンズから近い

 

ミシシッピー州にある小さな町。

 

やってきた列車から飛び降りたのはオーエンという若者。

 

スターという名の下宿屋に宿泊することにした。

 

下宿屋は、スター家の母親ヘイゼルの誕生パーティで、

 

多くの鉄道員が集まり盛り上がっていた。

 

ウィリーはオマセでオーエンに興味を持ち部屋へ案内する。

 

パーテイーが盛り上がった頃、オトコ遊びの絶えないアルバが帰ってくる。

 

姉アルバはどんな男たちも惹かれてしまう魅力的な女性だった。

 

階段から降りてきたオーエンをアルバはまぶしそうに眺めた。

 

母親ヘイゼルは、

 

アルバに金持ちである中年男性のジョンソンの囲い者にさせようとしていた。

 

ヘイゼルは娘を生計を立てる手段にアルバを年寄りのオトコにあてがうことに

 

なんの抵抗もないという、大したろくでもない母親で

 

その母親の前に出るとアルバは蛇ににらまれた蛙のごとく硬直してしまって

 

逆らうことが出来ない。

 

抗うことのできない苦しみを男遊びで紛らわしているのだ。

 

だが、彼女は、オーエンに一目惚れした。

 

気を引こうとあのれこの手を使うがそこらに居る鉄道員のお兄さんたちとは

 

違ってなびかない。

 

内心は彼も一目で興味を持ったのは間違いないが。

 

翌日、オーエンは鉄道の駅に向かい、

 

鉄道鉄道従業員の人員削減をするための調査員として派遣されたことを

 

通知する。鉄道員の一人で一応母親の恋人出あるJ・J(チャールズ・ブロンソン)

 

から

 

オーエンが調査員で不況の折、何人かを解雇する役目を持ってやってきたことを

 

聞かされるアルバだった。

 

町中の鉄道従業員から睨まれるオーエンだが、

 

何とかオーエンの気を引こうと町を連れまわすアルバ。


見た目の強烈な女の印象の底になにか純粋なものを感じさせる彼女に

 

ひかれていくオーエンだった。

 

しかし、オーエンから解雇通知を出されたジェイジェイらは

 

彼を袋叩きにしてしまう。

 

アルバが彼を手当てしていると、ニューオリンズに一緒に行こうと誘われる。

 

が、ジョンソンと結婚してもらいたいヘイゼルにより妨害されるのだった。

 

誤解したオーエンはアルバをののしってひとり汽車に乗った。

 

母に反抗するため勢いで、J・Jは本当は自分のことを好きなんだとみなの前で

 

母に恥をかかせその上今夜彼と結婚するという。

 

翌日、ジェイジェイのポケットからお金を抜いたアルバは、ニューオリンズへ

 

向かった。

 

そこでオーエンと会い、身も心も一新し オーエンの前に現れる。

 

一緒に暮らし始めたふたり。

 

そして彼からプロポーズされた。

 

シカゴの仕事に抜擢されたオーエンは結婚して一緒に行こうと誘った。

 

だがアルバは妹ウィリーのことが気になる。

 

オーエンはウイリーも一緒に連れて行けばいいと言ってくれた。

 

そしてふたりは結婚を決意する。

 

だがアルバがウイリーに手紙を出したことが災いした。

 

住所を知ったヘイゼルがニューオリンズまで押しかけてきて、

 

絶対に知られたくなかったこと・・・・アルバがJ・Jと結婚したことを

 

ばらしてしまったのだった。

 

アルバを連れて帰るために、止めるアルバの言葉に耳も傾けず、

 

平然と告げる母にアルバは取り乱し、狂ったように 首を振り

 

唖然とするオーエンにも苦渋に満ちた顔を向け

 

”もう終りだわ”と雨の中を、うちを飛び出し走り去ってしまうのだった。

 

その後、ヘイゼルは別の男と駆け落ちし、

 

アルバは雨に濡れたことが原因で肺病で病死した・・・・と、

 

ウィリーは少年トムに話し終え、

 

再び一人で歌を歌いながら姉の着古した汚れた服を着て線路の上を

 

歩いていくのだった。

 

生まれ変わって

 

やっと幸せを掴める・・,なのに

 

わが事だけしか考えない母親は

 

娘を己の安楽な生活を得るための道具として扱う無教養者。

 

それでも母親の恩着せがましい説法に押し切られてしまうそこは弱い娘アルバ・

 

まさにテネシーが実生活で見てきたシーンなんでしょうね。

 

この無教養な母親も描きたかったテネシー。

 

この頃の時代のアメリカは意外にも保守的であり、母親に背けない場面に

 

よく遭遇する。

 

 

デビューまもないロバート・レッドフオードを相手役に

 

体当たりの演技のナタリー。

 

この年のゴールデングローブ賞の主演女優賞を獲得しています。

 

 

34丁目の奇蹟の 子役の頃の可愛かったこと。

 

代表作は 理由なき反抗、ウエストサイド物語

 

そして、草原の輝き、いずれも主張の強い表面と内面の強い役を

 

演じ分けていますね。

 

1960年代日本ではオードリーを抜いてNO・1の人気でしたよ。シドニー・ポラック監督は

 

≪雨のニューオリンズ≫がほぼデビュー作。

 

ロバート・レッドフォードとは余ほど相性がいいらしくこの作品の後、

 

大いなる勇者、追憶、コンドル、愛と哀しみの果てと組んでいる。

 

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