③(エリン・ブロコビッチ)・ジュリア・ロバーツ・体当たりでぶつかれば人生は開ける  | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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    (エリン・ブロコビッチ)

こんばんは。いつもご訪問いただきましてありがとうございます。

 

アカデミー賞主演女優賞者三人目は  ジュリア・ロバーツです。

 

彼女の作品は吐夢のブログでは

 

(モナリザ・スマイル)

 

先日登場したスーザン・サランドンとの共演作・・(グッドナイトムーン)

 

そして(ペリカン文書)を投稿しましたね。

 

三作とも頭脳明晰仕事も一流という女性を演じていたジュリアですが

 

本日の作品はとてもお上品とは言えない無学な向こう見ずな女性を演じています。

 

この作品でジュリアはオスカーを手に入れました。

 

本作品は実在のエリン・ブロコビッチの半生を描いたものです。

 

キャスト      2000年度作品
エリン・ブロコビッチ   = ジュリア・ロバーツ
エドワード・L・マスリー =アルバート・フイニー
ジョージ         =アーロン・エッカート
ドナ・ジェンセン     = マーグ・ヘルゲンバーカー 
チャールズ        =エンブリー トレイシー・ウォルター  
カート・ポッター     = ピーター・コヨーテ 

 

早速ストーリーを。

 

女手ひとつで子供3人を育てているエリン・ブロコビッチは

 

無職で今日も職探しに出かける。

 

面接を受けたが、余計なことをしゃべりすぎて

 

断られてしまう。

 

この会話でエリンがとても頭脳がよいことがだけど

 

世間ずれしていることが観客にはわかりますね。

 

 

ため息をつきながら車を運転したが、追突されてしまい

 

ムチ打ちになってしまった。

 

言い遅れたがエリンのファッションは決して品良くはない。

 

奇抜でミーハー的でとても人に信用されるような格好ではない。

 

無学だが持って生まれた頭の良さがエリンの魅力だが

 

残念ながら人には伝わりにくい。

 

だが人の気持ちを理解すること

 

判断力、人の話を親身に聴くという彼女の魅力がだんだんーー追々

 

わかってきますね。

 

で、追突事故の訴訟を起こすべく、紹介でやってきたのが、

 

エドワード・L・マスリーの弁護士だった。運命の出逢いでしょう。

 

相手が不利であり、当然勝てると訴訟を起こします。

 

しかし、あの格好では彼女のいうことを相手方の弁護士は信用せず

 

逆に当たりやでは??と反論され怒ったエリンはいつものように

 

汚い言葉を吐き散らし結局

 

裁判に負けてしまうのだった・

 

貯金の残高は74ドル。

 

家には請求書の山。

 

隣人に子供達を預けてましたが、彼らが引っ越しをすることになって

 

新しくベビーシッターを雇わないといけなくなります。

 

新しく引っ越してきたのは、ハーレーダビットソンのバイクを愛する

 

ジョージでした。

 

求人票を見て応募しても、面接さえしてもらえません。エリンはエドに

 

雇ってもらうべくしつこく電話をかけます。

 

が、折り返し連絡をしなかったエドは、

 

留守の間に事務所で働きだしたエリンを見て驚きます。

 

 

エリンは

 

働いて、もし使えないようだったらクビにしてよいからといって、

 

医療保険も保証もなしで一応雇ってもらえることになります。

 

弁護士事務所の仕事に中々慣れないエリンでした。

 

家に帰るとジョージが子供たちの面倒を見てくれていました。

 

ベビーシッターは急用で子供達を置いて行ったのです・

 

ジョージは働きたい時に働いて、質素に暮らしていました。

 

働いてお金が溜まると自由に時間を使っていましたので、

 

新しく子守りをしてくれることになります。

 

エリンはエドから不動産関係のファイルの整理を頼まれます。

 

その中から、ドナ・ジェンセン邸の買い上げについての資料が気になって

 

調べることにします。エドが了承してくれました。

 

ドナに会って事情を聞くと、近くの大企業のPG&E から家を買い上げたいと

 

申し出が来ていたとのこと。しかし、買取額は6万ドル。

 

ドナは体調も悪く、引っ越す元気も無いのでいまだ留まっていたのです。

 

考えたらおかしなことに何故か、PG&Eは病院の検査費用を全額支払ってくれて

 

いました・

 

調べるとどうも会社がクロム金属をさび止めに使っていて大量に水に流して

 

それが原因で検査費用を払っているらしい。

 

会社はクロム金属は無害なタイプだと彼ら住民にうそをついていました。

 

エリンが専門家に聞きに行くと、有毒なタイプだと人体に被害がでる。

 

それはいろいろな病気を誘発し、DNAにまで入り込んで子供や、孫にまで

 

影響が出るとのこと。水質はどこで調べればいい???

 

水質管理局で調べると良いとアドバイスしてくれました。

 

エリンはおっぱいを武器に青年を釘付けにさせ資料を調べコピーします。

 

そこで水質管理局がPGに&Eに送った資料の中から、

 

毒性の強いクロム6が値が検出されたものを見つけます。

 

コピーして事務所に戻ると、

 

エリンのデスクは片づけられていました。エドは、エリンが仕事をサボったと勘違

 

いしてクビにしたのです。

 

 

激怒したエリンをジョージが抱きしめて慰めてくれました。

 

子供たちは一歳、三歳、五歳。ジョージにすっかりなついています。

 

 

 

エリンは昔ミスコンになった時の事を思い出して、ジョージに見せてあげます。

 

ジョージとの関係を平行して描いていきます。

 

また仕事を探さないといけなくなったエリンの元に、

 

エドが例の水質専門分野の教授からの電話を受けてエリンを訪ねてきました。

 

一週間エリンが調査に没頭していたことを知り、

 

話しを詳しく聞きたいと。

 

 

エリンは昇給と保険をつければ教えると交渉しますね。

 

エドはしぶしぶ折れて了承します。

 

とにかく証拠をつかめと、水道局から調べるように指示します。

 

管理局に再度向かい、大量の証拠を集めてコピーします。

 

エドが会社の苦情センターにFAXします。

 

反応がありました。会社は若い生意気な弁護士を立てて

 

和解を求めてきます。

 

エリンはそんな若造にひるむようなオンナではございませぬ。

 

6万ドルだったドナの家の買取額が25万ドルにあがります。しかし、

 

一桁違うのでは?と

 

そんな金額では応じれないと追い返します。

 

 

遅くまでエリンが調べていると、事務所にドナの邸の前に住む隣人が夫婦で

 

やってきます。

 

家畜が死んだ証拠、写真と自分が流産を何回もしたことを妻は訴えます。

 

 

住人達に訴訟することを同意してもらうべく動き始めます。。

 

弁護士《エドのこと》の訴訟費用の

 

受取額ですが勝った金額の40%と聞いて一旦はひるんだ住民たちですが、

 

負けたら一銭ももらえない、かれにとっても大博打なのよ!!というエリンの言葉

 

に彼らは納得し、署名したのでした。

 

エリンは一軒一軒まわって、

 

本当に気の遠くなるような作業を地道に一生懸命にやりました。

 

住人達から事情を真摯に一生懸命に聞きます。

 

原告が莫大な人数になっていき、641人と言う。

 

エドは調査のためにも資金援助を頼む必要性を考えます。

 

協力してくれる大手の弁護士事務所を探します。が、

 

誰も見向きもしなかった。

 

エリンは自ら水質調査や鳥の死骸などを持って帰って、

 

証拠を集めて行きます。

 

 

子供と接する時間はどんどん無くなっていきます。

 

最初はスネられますが、病気の子供達を救っていることに気づいた長男は

 

納得してママを理解します。

 

冷水塔の職員から話しを聞けることになって、ジョージに子供を預けます。

 

がジョージは、さすがに限界がきて出て行きます。

 

エドは本社が知っていた証拠を見つけなければと話します。

 

そしてドナは悪性の腫瘍が見つかって、乳房と子宮を取り除くことになります。

 

 

裁判所は、会社側の異議を退けます。

 

会社側の弁護士達は、原告の人数に対して僅かな金額で和解を求めようとします。

 

エリンが思いを全部ぶちまけます。すると

 

弁護士達は逃げ帰って行きます。

 

資金援助をしてくれるというポッター弁護士がやってきます。

 

彼は公害訴訟で優秀な弁護士でした。冴えないオンナ弁護士も一緒でした。

 

一生懸命に積み上げた仕事を横取りされた気になりエリンは怒ります。

 

しかし、

 

家に帰るとエドから宅配便が届きます。

 

中には5000ドルの小切手と、赤い新車の鍵が入っていました。

 

こうしてエリンは思う存分住民たちの力になることが出来るのです。

 

ポッターの事務所の若い女弁護士が、

 

エリンの集めた資料の漏れを指摘してきます。

 

エリンが、住人の家族構成、生年月日、発病した日、電話番号や病気の状況など

 

すべて

 

暗記していて彼らの前で流暢に述べるのを見て彼らは呆気にとられます。

 

すごい執念のたまものと暗記力のすごさです。

 

 

ポッター弁護士達は調停に応じるように住人達を説得します。

 

が、その弁護士達は感情を求めていなく、事実だけを聞こうとする。

 

彼らに冷ややかさを感じた原告側は

 

反感を持っ猛反対---拒否されます。

 

エドとエリンは原告側を集めて、集会を開きます。

 

調停だと早くに賠償金をもらえることができると説得します。

 

もちろん、賠償額は押して引かないとも。

 

出席してない人達からエリンが署名をもらいに一軒一軒訪ね歩きます。

 

一方、ジョージが帰ってきてくれました。

 

エリンが素直に謝ります。

 

あの時エリンはジョージに冷たく言いました。

 

自分には夢があったけれど別れたふたりの主人はそれを理解してくれなかった。

 

だから男はもういいと・・・後悔したエリンでした。

 

エリンはバーで自分をナンパしようとしていると誤解したチャールズから、

 

PG&Eに在籍した頃に書類の廃棄を命じられたがすべてを廃棄しなかったーー     

 

という話を聞かされます。

 

本社がすべてを知っていた上ですべての隠匿を図るために

 

動いてるという証拠を手に入れます。

 

 

ポッター弁護士達に

 

証拠と641人全員の署名を持っていくと、彼らは目が点になります。

 

ついに和解が成立して、ドナに金額を伝えに行く日が来たエドです。

 

エリンは自分のしている仕事の現場を知ってもらいたくてジョージを同伴します。

 

和解額は・・

 

3億3300万ドルにも及び、

 

ドナには500万ドルが支払われます。

 

エリンはドナにいいます。これであなたの娘さんやお孫さん、ひ孫まで

 

遊んで暮らせるわ。と・

 

ドナは思ってみない金額・・・というよりエリンが約束を守ってくれたことが

 

嬉しくて泣いてしまいます。

 

さて

 

エドの元にPG&Eから小切手が届きます。

 

そしてエドはエリンに言います。

 

”君の言った報酬額は妥当ではなかったので変えたよ”

 

減らされたと思い込んだエリンは激怒して悪口雑言エドに噛み付きます。

 

しかし、小切手を見せると

 

それには200万ドルと記載されておりお口をあんぐり!!・

 

エドは””だから言っただろっ。妥当な金額ではないとだから

 

増やしておいた!!”

 

 

地下水の汚染を防ぐために貯水池が防水加工されえうことになりました。

 

エドは引退のつもりでしたがいやいやこれからもエリンといいコンビで

 

大きな仕事を裁いていくことでしょう。

 

 

映画の出だしは

 

 

決してエリンのキャラクターはいい感じではない。

 

まだまだ彼女のおりこうさんの部分は出番ではなく、

 

横着で仕事をなめたようなそんなシーンからである。

 

彼女にとって仕事とはお金を稼ぐ手段であって、それだけのものだ・

 

そんな彼女が、公害訴訟に関わったときに、生まれて初めて

 

人から尊敬されるという経験をする。

 

仕事とは誰かのため、社会のためというものを無意識にも背負って関わるものだと

 

いうことを知るのである。ラストでは、

 

自分の仕事を正当に評価してほしいとプライドを持って

 

言えるエリンの成長がある。ここで観客はすっきりするのである。

 

サクセスストーリーであるがそれは大金を得た成功ではなく

 

人間として一人前になった成功者である。

 

ジュリアはもちろん体当たりの演技である。

 

で、アカデミー賞だけではなく数々の賞を総なめにした。

 

 

ジュリアのその人間として成長していく過程を堪能しよう。

 

其の過程での数々のエリンの汚い言葉がなぜか小気味いいと感じるのは

 

私だけでしょうか・

 

これも観ておくべき作品、傑作である。

 

この監督はステイーヴン・ソダーバーグで、

 

”セックスと嘘とビデオテープ”というこれまたすばらしい作品の監督さんの作品

 

だが、あの監督だからこの作品はちょっと!!という賛否両論の作品だが

 

私は素直に理屈はいらない・・愉しめました。傑作でしょうが!