今夜は 《シシリアン》仏 1969年度作品 | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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戦前のフランス映画が大好きです。
基本、鑑賞後の感想ですのでネタバレが殆どです。
ご了承くださりませ。

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《シシリアン》
 
 
こんばんは。
ドロン作品でも、人気の高い作品、
  <シシリアン>を取り上げてみましょう.
 
アランが最も敬愛する俳優、ジャン.ギャバン、そして
先輩、リノ.バンチェラと共演する、
フイルム.ノワールの傑作です。
 
ストーリー的には
あっさりとしたマフイアものですが、
見所は5月の蝿と呼ばれる殺し屋サテト(ドロン)の
護送車脱出の醍醐味、
 
マフイアの顔役ビットリオ(G.ギャバン)の貫禄、
 
味わいのある演技のル.コブ警部役のリノ.バンチェラの
 
共演といったところでしょうか。
 
アランがようやく彼独特のキャラクターが
出来始めた頃で、
ギャバン.バンチェラとどうやって向き合うか...
興味のあるところです。
 
... サテトの出現によって、
しっかりとした一族の結束で安定していたビットリオの家族が
略奪した宝石を、
また、マフイア引退後のシシリーへの帰還をも
犠牲にしてまで、
シシリーのマフイアの体面を保つため、
崩壊してしまうというお話...。
 
ストーリー
 
パリに住むマフィアの顔役、
ビットリオ(ギャバン)は、三人の息子、それぞれの嫁、
孫一人とパリに住み、表向きはおもちゃやを営んでいる。
 
長男アルドは昔一緒に仕事をした
五月の蝿と呼ばれている殺し屋、サテト(ドロン)を
獄中から救い出す計画を実行することにした。
 
警官と囚人に化け、警察署の署内に入り込み、
護送されるサテトに電気ドリルを渡した。
 
護送車の中は小さな個室になっていて、
サテトは、護送される間に
車の床のグレーチング板を電気のこで切り取った。
 
アルドの妻ジャンヌが護送車の前に向かいから突っ込み、
運転を妨害、
その間に護送車から這い出たサテトは
護送車の後ろで待つ、アルドの弟の運転する
ボンゴの床から這い上がった。
 
一年前にル.コブ警部(リノ.バンチェラ)に
逮捕されて以来の久しぶりの娑婆《シャバ》であった。
 
初めて紹介されたアルドの父親ビットリオは、
家族制度をを何より重んじる人物であった。
 
サテトは脱出の礼に、
莫大な値打ちのスタンプ.コレクションを贈った。
 
見るからに冷淡そうで、寡黙で気の荒いサテトに、
ビットリオもふたりの弟たちも用心の眼を向けた。
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しばらくの間、ビットリオの家に匿われていたサテトは
のんびり釣りなどをして時間をつぶしていたが、
 
ある日、海で釣りをしていて、日光浴をしているアルドの
妻、ジャンヌと関係を持ってしまった。
 
海辺で遊ぶ弟セルジオの幼い息子がそれを見ていた。
 
やがて、サテトは獄中で仕入れた、宝石輸送の話を
ビットリオに持ち込んだ。
 
シシリーの土地を買い占めたい彼は心動かされた。
ニューヨークにいる親友でマフイアのボスの
トニーの助力を仰いだ彼は
直ちに策を練った。
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パリからニューヨークへ運ばれる宝石を
どうやって手に入れるか・・・・。
 
指名手配されているサテトは公然と飛行機には乗り込めない。
 
宝石輸送の護衛人を殺し、その人物に成りすまして、
うまく機内に乗り込んだサテト。
 
特別要人はチェック無しで特別に乗り込めるからだ。
 
ビットリオの息子達、ジャンヌも乗り込んだ。
 
しかし、護衛人の妻が飛行場にやってきたからまずい。
 
ビットリオは秘密警察を名乗って、その妻の足止めをしたが、
機内にもホテルにも夫がいないので、この計画は
ル.コブ警部の知るところとなった。
 
すぐさまニューヨーク警察と連絡をとるが、彼等は
待機するニューヨークの空港へは飛行機を着けなかった。
 
工事中の高速道路へと着陸させ、
易々と宝石を奪った。
 
トニーの手配した手下の指示で、
強奪した宝石を彼等に預け、
メンバーはそれぞれ指示に従って散った。
 
ニューヨークからベラクルスへ飛ぶように指示されたサテトは
連絡を待った。
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無事にパリへ着いたビットリオ一家の団欒。
テレビをみんなで楽しんでいる。
 
男女のラブシーンを見ていた家族に、
 
孫が”ジャンヌ叔母さんとサテトみたいだ!と言ったことから、
 
無表情ながらもビットリオは激怒した。
 
ニューヨークのトニーに連絡をとり、サテトに接触させ、
パリへ戻るように指示した。
 
用心深いサテトは飛行機の時間をずらして、一足早く
空港へ着き、待機した。
 
一方、サテトの妹の店の電話に盗聴器をつけていた
ル.コブ警部はジャンヌからその妹へ
サテトが危ないという連絡が入ったのをキャッチした。
 
待機する刑事達と
ビットリオの息子達。
そしてサテトの妹。
 
現れないサテトに、苛立ち、
気付いた妹に接触したアルドたちに
ル.コブ警部は彼等を逆に逮捕した.
 
サテトは自分の取り分を渡せとビットリオに迫った。
待ち合わせの場所へジャンヌを伴い向かうビットリオ。
 
金を渡した後に、
ポケットから銃を取り出そうとしたビットリオに
サテトを庇って、ジャンヌは銃弾に倒れた。
 
すぐさまピストルを取り出そうとしたサテトだが、
ビットリオの銃が
火を吹くのが一足早かった。
 
ビットリオが家に帰ると、
そこにはル.コブ警部が待ち構えていたのだった。
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せっかく手に入れた大金でシシリーの残りの土地を買い、
老後を家族と共に送るはずだった夢も消え、
家族も崩壊してしまった。
 
それを犠牲にしても、ビットリオにとって、
体面、誇りを傷つけられたことへの復讐のほうが
大事だったのだ・
 
明らかにこの作品はギャバンの良いとこ取りの作品です。
普段のアランならこんなドジは踏まない。
 
ギャバンの見せ場をきちんとわきまえ、
あえてあっけない最期を演じたのだと思いますね。
 
リノ.バンチェラがすごく良いですね、
 
ぬーぼうとした中に怒りを秘め、訥々と事件に立ち向かう愛嬌のある人物を好演しています。
 
エンニオ.モリコーネのすばらしいサウンドは大ヒット。
フランス.フイルムノワール第二期が
脂に乗り出した頃で、
相次ぐ作品の中でも、その後の作品のベースともなる
 
非常に面白い作品に仕上がっています。
 
カラー.撮影もきれいですね。
 
とにかく、アランの護送車脱出のシーンは度肝を抜かれ、
かつ、爽快でもある。
 
そして  スタッフが豪華。
面白い作品が出来るはずですよね。
 
監督 アンリ・ヴェルヌイユ。
オーギュスト・ル・ブルトンの原作を、
  「オー!」の
ジョゼ・ジョヴァンニ、
ピエール・ペルグリ、
アンリ・ヴェルヌイユが
共同脚色。
 
撮影 アンリ・ドカエ、
 
音楽 エンニオ・モリコーネが担当。
 
出演
ジャン・ギャバン
アラン・ドロン
リノ・ヴァンチュラ
イリーナ・デミック
アメディオ・ナザーリ
 

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