『東京ジョー』・ボギーが東京に❗️ ・ 1949年度作品 | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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戦前のフランス映画が大好きです。

あなたはどんな映画がお好みですか??







東京ジョー



1949年度作品ですが、日本公開は

1993年です。



この作品はボギーの作品歴にはあまり登場しないので

ご存知ない方も多いと思う。



戦後の日本を舞台にしたハードボイルドタッチの作品で

結構楽しめました。



アメリカから見た東京が

違和感なく描かれているのに

驚きました。



”戦場にかける橋”に出演していた早川雪州が悪役で

登場しているのも

興味深いですよ。



作品、”カサブランカ”を思わせる恋人との再会、執着など

男女のロマンスも絡ませ、



粗さも目立つが、

全体としては我々世代には楽しめるのではないでしょうか。



監督はスチュアート.ヘイスラーとかいう人で私は初めて

知りました。



ジョー.バレッタ....

ハンフリー.ボガード

木村男爵........

早川雪州





あらすじ

太平洋戦争前、銀座でキャバレー「東京ジョー」を

親友の日本人、伊藤と

経営していたジョー・バレッタは

七年ぶりに日本を訪れた。

七年前、戦争が勃発してアメリカへ帰り、従軍していたのだった。



日本はまだ、GHQの支配下である。

米空軍基地に降り立ったジョーは東京に入るのが

米軍を脱走するより難しいな

などとジョークを飛ばすほど

面倒だった。



ジョーはなぜか、

米軍にマークされているようで

彼の通過する検問の後、

逐一米軍のダークレン大佐に

報告されていた。



キャバレー「東京ジョー」は

もはやアメリカ人は

経営に携わることは

出来なくなっていた。

ジョーはそのことを

アメリカを出るときにはすでに知っていたが、

まだ銀座に店があるかどうか見たくてぶらりやってきたのだった。

しかし、滞在許可は60日だった。



何か仕事をしなくてはならなかった。

「東京ジョー」を訪ねると

親友の伊藤は

再会を喜び、隣のボロホテルに泊まるというジョーを制して

店の二階に案内した。



しつらいは昔のままだった。

”隣のホテルは今は駐車場さ、B29という名のね”。

笑いながら柔道を始めた。



ただ、カンダと名乗る巨体の日本人は得体の知れない雰囲気で

表面は伊藤の使用人のように振舞っていたのがジョーには

気にかかった。



懐かしい唄声が

電蓄から流れていた。

店で歌手をしていた

恋人トリーナの声だった。



死んだと思っていた彼女が

生きていると伊藤は言った。

中野に住んでいるという。



すぐさま訪ねると

彼女はアメリカ軍の法律顧問をしているラディングという男の

妻になっていた。



熱烈に愛し合って結婚していたジョーと、

ロシア人女性、

トリーナだったが、

事情があって、トリーナを捨て、米国へ帰ったジョー。



後悔して日本へ帰ろうとしたときの戦争勃発だった。



トリーナはジョーを忘れられないでいたが、

戦後、ジョーとの

離婚申請をして

今はやさしい夫と女の子との

平穏な生活があった。



アリーナという七歳の女の子は

初めて会ったジョーに

なぜか親しみを感じ、

自分の誕生パーティに招待した。



一方、伊藤は何か職が欲しいと言うジョーに

元秘密警察にいた木村男爵を

紹介した。

木村はジョーがパイロットの

免許を持っていることを知っていて、

韓国まで空輸する仕事を持ちかけた。



貨物の中味は何か?と訪ねると冷凍のカエルだという。



陰気臭いなと感じたジョーだが今は仕事を選んでなどいられない。

まずは空輸許可を米軍に申請した。

許可が下りるのは数ヶ月先だとのことだった。



ジョーは仕事を降りようとしたが木村は

ある秘密ファイルを見せ、この仕事を遂行しろと迫った。

その秘密とは元妻、

トリーナに関するものだった。



ジョーは冷凍のカエルを

運ぶ事になった。

倉庫で見た荷の中味は確かに冷凍のカエルだった。



二名の米人パイロットを雇い、一名の日本人パイロットを雇った。

日本人は神風を操縦していたという。

名前を聞いて笑ってしまった

ワ タ ク シ。  



カマクラゲンゴロウカネマサ と名乗ったんです❗️



そして行き先は韓国だった。

その日の荷はなぜか

骨董品だった。

すると帰りの便に

日本人の男が乗り込んできたのだった。

何か引っかかるが

トリーナを守らねばという

思いだけだった。



トリーナの秘密とは・・・

トリーナは戦時中に女の子を出産したが、

戦後日本軍の捕虜となった。

そして釈放された。



日本軍に強要されたとはいえ、GI向けのラジオ放送に携わることで釈放されたという、

いわば反逆罪に相当する過去を持ってしまっていた。



生活苦のためにに仕方なかったとジョーに告白した。



女の子が7歳だとすると

自分の娘だと確信した

ジョーだった。



きっと君を取り戻して見せるとジョーはトリーナにも

夫ラディング氏にも断言した。



ラディングは

分別ある人物だった。



彼もジョーもトリーナを

守りたいという気持ちは

同じだった。

ここはあの”カサブランカ”の

リックと立場が逆に

なっているんですよね。



悪いようにはしないから

自分に任せろとラディングは

ジョーに言い、

ダークレン大佐に

連絡をとった。



ダークレン大佐は恐らく、

前々から木村男爵をマークしていたと思われる。

その彼に接触するジョーの

行動が

果たして

どういったものなのかを

掴む為に

ジョーをも、マークしていたのだった。



”昨日の韓国行きは試しの運航だった。



明日、本当に冷凍カエルを運ぶらしい、そして

帰りの便には戦犯の日本人三名を乗せてくるはずだ”と

ダークレン大佐は言った。



そして木村とその戦犯たちは

クーデターを起こそうとしているのだ。日本国と日本国民のために絶対に

阻止せねばならないとも

言った。



その情報は

カマクラゲンゴロウカネマサが探ったものであった。



トリーナの件はもみ消すから軍に協力してくれとも言った。



ジョーとダークレンは協力してセスナに乗る事にしたが

木村はアリーナを

人質として誘拐した。



ジョーが裏切らないようにであった。

三名を乗せた韓国からのセスナに

木村は横浜に着陸しろと命じてきたが

軍は羽田に着けろという。

日本の警察と協力して

木村を逮捕しようとしたが彼は行方をくらました。



娘を守るために横浜に

セスナを着けたが

待っていた木村の手下は戦犯三名を受け取ると

手下の一人はセスナの翼を

ハンマーで叩いた。

流れるオイルに火を放つと爆発炎上であった。



各飛行場に張り巡らした兵は、ここ横浜にも待機していたので

すんでのところで

ジョーは命拾い。



踵を返して「東京ジョー」に行ってみると、

責任を感じた伊藤は

切腹していた。



息を引き取る前に教えてくれた木村のアジトはなんと

例の、元”B29”という名の

ホテルだったーー今は駐車場ーーその地下に

潜伏していると言うものだった。



ジョーは伊藤に言った。

”米軍は真の敵ではない、日本の国の復興の手助けと

日本の国民のために居るんだぜ”



地下に降りてみると、

巨体のカンダはやはり

木村の手下だった。



もみ合って、何とかカンダを

刺し殺した。



泣いていたアリーナ・・・我が子を

しっかりと抱きしめるジョーだった。



しかし、木村の銃口がジョーに向けられた。

負傷したジョーを救ったのは米軍兵士の銃。

ダイナマイトを投げようとした木村に命中し、倒れていった。



やってきたトリーナに重傷を負ったジョーは

”アリーナと一緒に

アメリカへ帰ってやり直そう”と告げるのだった。



トリーナの答えは

”もちろんよ”だった。



ここはカサブランカと違って、ボギーとトリーナは

ハッピーエンドでした。



筋立ては三流映画のようですが、

アメリカから見た日本の時代の背景がとてもよく出来ていて

楽しめる一本です。



昨今の複雑な情報スパイものは

大型映画っぽく作られていて惑わされやすいですが

単純なストーリーをストレートに分りやすく

かつ、ボギーが日本を舞台に活躍というちょっと拾いものの

作品であります。



日本家屋をアメリカ式にインテリア化されているものも

違和感なく、興味深いし、

早川雪州の英語の合間に入れる日本語がちょっと笑えます。



”カサブランカ”だって”慕情”の舞台、香港だって

異国情緒なんだから、そこが日本だというだけで

我々から見れば少しくすぐったいかもしれないけれど

あちらから見れば舞台としては

さほど差はないのかもしれませんしね。



ということで今夜はハンフリー・ボガードの拾い物作品でした。