切通理作著「無冠の巨匠 本多猪四郎」を何度も読んでいる、この本まで本多猪四郎監督を映画作家として論じた本が無く「グットモーニング・ゴジラ」のような職業監督として書かれた本しか無かった。僕は本多猪四郎監督の方が、黒澤明監督より小津安二郎監督や溝口健二監督の様な映画作家だと思っていたのでこの本の出現までいらいらしていた、海外では本多猪四郎監督を映画作家として評価している(特にハリウッドでは)なぜ自国である日本では、この本が出版されるまで、まともにちゃんと本多猪四郎監督を評価し無いのか？本当に無念な気持ちでした、この本の後、小林淳著「監督 本多猪四郎の映画史」が出版され日本でも、やっと本多猪四郎監督の評価が始まった。本多猪四郎監督と同じで本国で評価が遅かったクリント・イーストウッド監督と何か似ているようで、自国の優れた作家を自国が一番わからないと言う説は本当だなとつくづく思う。しかし、そんなことよりも、この本を繰り返して読むことで、自分が言いたかった事、思っていた事を自分で確かめていることが幸せである。