ウシュバテソーロの砂の世界最高峰ドバイワールドカップ制覇の快挙で沸きましたが、人の欲は底知れず次は凱旋門賞挑戦のプランが上がりました。

確かにダート馬の凱旋門賞挑戦は興味深い

ヨーロッパの芝馬はBCクラシックでもお構いなしに走ってたので、

ダートをこなすパワーがあるならヨーロッパの馬場もこなすかも、と思うのは一理ある。

しかしダートと一括りにしてもドバイのダートとサウジのそれとは似て非なるものだった気もする。

サウジのダートは日本の芝馬でもこなせたが、

ドバイのダートは日本の地方の深い砂に対応した馬達が活躍したようだ、サウジカップで上位を占めた馬達はこぞって沈んだ…

昨年サウジでテーオーケインズは沈んだがドバイではあわやの活躍だった。

勿論どちらもこなす馬もいたが、

それはその馬がどちらの馬場もこなせるような適正を持っているのだろう。

しかし、コースによる適正とは走り方だろうか?その馬の走るフォームで芝やダート、道悪適正や距離もある程度解るかもしれないが…モーションセンサーかなにかで完璧にコンピューター解析でもしてれば統計学的に適正が解るかもしれないが、私はそのような研究結果を見たことがない。

ドバイのダートとロンシャンの芝が同じだとは思わないが、ロンシャンの芝2400mなら日本馬は何度か勝ってるのでロンシャンのコース形態には特別問題はなさそうだと思われる、

問題は10月上旬の雨が降った時の馬場状態だろうか?日本馬の特徴である瞬発力が殺される馬場か瞬発力が仇となりスタミナが奪われるのか、

後は斤量も日本馬には経験の無い重さだろう…

斤量で有利な3歳時に遠征したダービー馬もいるが、重馬場でもキズナは好走しが、マカヒキは良馬場のニエル賞は勝ったが良馬場の凱旋門賞で沈んだ。

オルフェーヴルは重馬場で2年連続2着、ナカヤマフェスタは重で2着、翌年の良馬場で11着、ディープインパクトは良馬場で3着(失格)、ゴールドシップは良馬場で14着、クリンチャーは良馬場で17着、フィエールマンは重で12着、クロノジェネシスは重で7着、ディープボンドは良のフォア賞は勝ったが重の凱旋門賞は沈んだ、エルコンドルパサーに至っては良馬場でフォア賞を勝ち、史上最悪クラスの不良で更に散水されてあの3歳時のモンジューを相手にして僅差の2着

重の凱旋門賞は別の競技ではなく、

逆に重馬場を苦にしない馬なら好走出来てるようだ。

エルコンドルパサーはダートでも無敵の強さを見せており、新馬戦は最後方から直線だけで七馬身突き抜けおり桁違いの走りを見せていた。

ナカヤマフェスタは稍重の宝塚記念を勝っているが、不良馬場のロジユニバースが勝ったダービーで大外から強烈な末脚で4着に追い込んでるように不良馬場を苦にしなかった。

オルフェーヴルにしても不良馬場のダービーを勝ってる。

このように不良馬場適正があれば重になった凱旋門賞では勝負になると思われる。

昨日の不良馬場の日経賞を圧勝したタイトルホルダーが重馬場の凱旋門賞で沈んだことについて色々な意見が出てるが、個人的には宝塚記念のレコードの反動があり、尚且つブルームが追い込むドウデュースの援護とばかりに執拗に絡んでたのでスタミナを奪われたのではないか?と思ってる。

重の宝塚記念を圧勝したクロノジェネシスは凱旋門賞ではスタートしてポツンと外を走り何かチグハグな走りだったが、上位には交わされたが中盤まで粘っていたので序盤の訳の解らない騎乗が最後に響いた気がする。

ウシュバテソーロが凱旋門賞で勝つか負けるかは走ってみないと解らないが、もしパンパンの良馬場で高速決着なら斤量の軽い3歳勢が有利だろう。

良馬場ならドバイシーマクラシックで圧勝したイクイノックスならと世界中で思われており、現在のオッズでは早くも一番人気に支持されてる。

確かにシーマクラシックは前日のタイトルホルダーに当て付けるかのような逃げで圧巻のパフォーマンスを見せ132という世界一のレイティングを与えられたが、残り300から軽く仕掛けただけで愛ダービー馬ウエストオーバー、ネオムターフで圧勝したモスターダフや昨年の覇者シャフリヤール等と言った馬を突き放して行く姿に恐ろしさすら感じたが、ルメールが追うのを止めた途端に減速し差が急に縮まったのが気になる、あのまま追えば6~8馬身以上の差がついたのでは?という説もあるが、軽く追おうと強く追おうと反応が良すぎてMAXまで加速していたのかもしれないし、緩めたと同時に止まっていたのかも知れない…スピードの惰性で5馬身は欲しかったとは思うが、クルージングでコースレコードと手放しで喜べるだろうか?

この天才馬には期待が大きいだけ重箱の角をつつくように不安を探してしまう。

この馬は走る毎に驚くほど強くなってる気がする。苦杯をなめた皐月賞、そしてダービー、あの位置から届いた天皇賞、痺れるような手応えで捲ってきた有馬記念、そして戦慄の世界デビュー戦。

この成長力はキタサンブラック譲りなら、道悪もこなせるような気もするが、成長力と馬場適正は別物かもしれないし、彼は父親のようにタフなローテーションを経験していないし、オーナーサイドも経験させないだろう。

そうなると凱旋門賞挑戦は宝塚記念から直行になるはず、

直行のローテーションはあのディープインパクトですら敗れたように、凱旋門賞好走例は全てステップレースを使ってる。

フォア賞や愛チャンピオンSからの間隔はイクイノックスにとって短いだろう、それならキングジョージか英インターナショナルS、辺りを使うのが良いかも知れないが、まだ3月の時点で10月の事を話すのは気が早い。