チャンピオンのタイトルホルダーに挑む

若き天才イクイノックス

そんな構図か


メジロマックイーン対トウカイテイオーを思い出す

最強の王者メジロマックイーンが2.2倍

無敗の二冠馬トウカイテイオーが1.6倍

当時の競馬新聞も◎と○しかない

後の馬は△ばかり

いかに2強対決の様子だったか…

皇帝の息子トウカイテイオーが地の果てまで走ると

初めての3200mを前に岡部騎手が言えば

武騎手はメジロマックイーンは天まで昇りそうだ と応戦し

レース前から舌戦が始まり否が応でも盛り上がる

トウカイテイオーは骨折により菊花賞を断念

その菊花賞を勝ったのはダービーで3馬身の差をつけたレオダーバン

無事ならば皇帝と呼ばれた父と同じように

無敗の三冠を達成していたのではないか?

そして父を超えて行くのではないかと

未知の魅力にファンは期待を寄せる

菊花賞の代わりに春の天皇賞の3200m

しかもそこで最強のステイヤーと名高いメジロマックイーンを負かせば史上最強の称号も現実になるだろう


対するメジロマックイーンは祖父の代から春の天皇賞に勝つために代々重ねなれた血統であり、三代に渡り春の天皇賞に勝ってきたので、ここでトウカイテイオーに負ければ自らの存在意義を失う


レースはメジロマックイーンが先行し

大外枠のトウカイテイオーが少し離れてマックイーンをマークして淡々と進む

勝負の3コーナー過ぎで

トウカイテイオーが前に上がっていく

メジロマックイーンも応戦するように引き離しにかかる



春の盾

春の盾こそ絶対に欲しいトウカイテイオー

春の盾

春の盾こそ絶対に渡せないメジロマックイーン


正に実況の通り

トウカイテイオーが4コーナー手前でメジロマックイーンの一馬身後ろに迫る…

トウカイテイオーはここからが未知の距離


逃げるディフェンディングチャンピオンに

迫る若き天才


トウカイテイオーの圧倒的な天性の才能にテイオーファンは狂喜し

無敗の二冠馬の底知れぬ能力にマックイーンファンは恐怖し

場内、いや日本中のボルテージが最高潮に達した時に

トウカイテイオーは動きが悪い…

無敗の帝王が失速する姿を誰が予想しただろうか

二馬身ほど差をつけて勝つだろう

負けても一馬身程度だろう

大方のファンはそう思ってただろう

しかし

離された5着


何を言っても負けは負け、次の宝塚記念で巻き返す

鞍上からはその言葉しかなく

これで後が無くなったのは史上最強を目指すテイオー陣営

得意の中距離で菊花賞馬に負ければ

ダービー馬の価値すら失う背水の陣


安堵のと共に凱旋のマックイーン陣営は勝ち誇るでもなく余裕すら漂う王者の風格


果たして最強を賭けた第2ラウンドは…

結果はみんな知っての通り

テイオーは骨折が判明

それがレース中のものであったか

レース中だとしてもどの程度の影響があったのかは未だに不明であり

以降トウカイテイオーが2400以上の距離を走ったのは有馬記念のみ


そしてテイオーを下した王者マックイーンも骨折が判明

以降両雄が再び対戦することは無く伝説の対決は終わったが


菊花賞馬対若き天才


他に思い出すは

キタサンブラック対サトノダイヤモンドか

こちらは菊花賞馬対菊花賞馬の初対決

逃げるキタサンブラックに僚馬を使いサトノダイヤモンド陣営が援護射撃を行う

それでも王者キタサンブラックは簡単に墜ちない

最終コーナーでキタサンにダイヤモンドが並ぼうとするその僅かなコーナーワークの隙

昨年の優勝馬ゴールドアクターが歴戦の猛者の実力を発揮して一瞬の隙を突いてインに潜り込む

ブラックが逃げ、ゴールドが追いすがる

ダイヤモンドは一瞬の隙をつかれて僅かに遅れて3番手から追う

大歓声の中で直線は3頭の火の出るような叩き合い

最後の最後

ルメールの執念か

2kgの斤量差か

ダイヤがもう1段加速して戴冠の2016年

ダイヤモンドが輝いてた時代が懐かしい


菊花賞馬だったサトノダイヤモンドとは違い

イクイノックスは残り100mが未知の距離

逃げるは菊花賞馬であり春の天皇賞馬のタイトルホルダー…

果たしてどうなるか…


先頭のタイトルホルダーを交わしたところを

更に後ろから…


エアグルーヴを競り落としたマーベラスサンデーを後ろから交わしたシルクジャスティスのように

何か仕掛けを一呼吸遅らせた馬

ボルドクフーシュか、ヴェラアズールか

その辺りも不気味に思うし

人気を落としたが日経賞でタイトルホルダーを苦しめたボッケリーニや

前で立ち回れるジャスティンパレス

早めに仕掛けるであろうディープボンドがタイトルホルダーに二の矢

三ノ矢として襲いかかるであろうからして

最強であろうタイトルホルダーは苦しいと思われる

ジリジリとジェラルディーナやエフフォーリア辺りが来ても不思議ではない