オレ、次元大介。流れ者風射撃の名手。

今日は久しぶりに古い知り合いがやってるバーに来たんだ。つまり、お前達に韓国語なんざ、教えてる暇はねーってこった。

ん?オレ好みの女が一人で飲んでやがる。場末の汚ねえこんな店でアブねえな。大方、デートの相手にでもすっぽかされたか、こっぴどくフラれでもしたんだろうよ。


「ホンジャインガ?」

   (一人か?)

「ネー ヤクソギ イッソンヌンデ・・・」

   (ええ、待ち合わせだったんだけど・・・)

「マーニ マションナバ。 ヨギ ドゥエ?」

   (ずいぶん飲んだみたいだな。ここ、いいか?)

「ミアネ。マウミ アンネキョ」

   (ごめんなさい、気がむかないわ)


マウミ ネキダ・・・気が向く。否定のアンがついて「気が向かない、気分じゃない」だ。

って、どうやらフラれたらしいぜ。ケッ!場所を変えるとするか。


言っておくがこの講座はオレのリボルバーに給弾した分だけしか連載しねえ。だが、タマがなくなっても「マウミ ネキミョン」(気が向いたら)また会えるかもな。

じゃあな。


語学留学中に一緒のクラスだった友達の話。


「女の人が突然男性に裸を見られた場合、

日本人は胸を隠し

西洋人はおマタを隠し

韓国人は顔を隠す    らしいよ。」


どっから入手した話題か知りませんが、個人が特定されなきゃいーのか?!

と、思いつつも、顔を隠すのが一番合理的音譜であることに気づきました。

しかし、こんな場合は座り込むのが吉です。


徴兵制度のある韓国では、入営すると以下のような手帳を配布されます。

これは陸軍のものです。

日本人でこの実物を所有している漢は(いや、女ですけどね)、アタシを除いて全国で2桁いってるかいってないかじゃないでしょうか。



           手帳


コンテンツを画像としてアップするのは、いかがなものかと思われますので、テキストで。


この迷彩手帳の表紙をめくると、所有者情報を記入するページに次いで、太極旗。その下に

「私は誇らしく 太極旗の前に 祖国と民族の無窮の栄光のため 身体と精神を合わせ 忠誠を尽くすことを 固く誓います」

とあります。


その後、愛国歌、申告要領、軍歌、各方面への連絡先、メモなどで構成されているわけですが、友人は最初にこれを手にしたとき「ああ、これで自分の青春は終わるんだ」と思いながら信条を朗読したそうです。

実際にこの手帳を開くようなことはほとんどなかったと聞きましたが、数ページには鉄条網○セット・・・のようなメモが残されています。


休戦中であり戦争中である国、大韓民国。楽しいところばかりフォーカスされますが、国を守るための義務に就くたくさんの若者に思いを馳せると、平和の本当の大切さが理屈ではなく感じられるような気がします。



エリョン(悲しい恋) /コヨーテ



忘れよう 忘れようとしても いつもやってくるあなたの香

消そう 消そうとしても 冷たくさめてるあなたのまなざし


二度と俺を探さないでくれ 死んでも俺を探さないでくれ

どうして お前に会わせる顔がある


忘れよう 忘れようとしても 忘れることなんてできなそう

胸の中であなたへの愛は 大きくなってくだけじゃない

そんなふうに私の気持ちを あなたの愛でいっぱいにしておいて

他の愛を求めに行ったんじゃない


Rap

闇の中に消えていった 遠ざかるお前を

大声で呼んでみたけど

can't get you out of my mind

取り返すこともできず 過ぎていった時間の中に

さまよう俺だけど

なぜか永遠に お前と共に忘れてしまうだろう


*別れすら一緒にできて 幸せだった

あなたに出会って 生きる理由に気がついたのに

引き返せないと知って むやみにすがりついたりはしなかった

今このまま あなたを送り出してしまえば

気持ちは全て なくなってしまうのね

今 あなたのための愛を全部 捨ててしまうのだから


忘れよう 忘れようとしても 私の側に悲しみだけが残ってる

一緒に分かち合ったたくさんの姿が 私を辛くするの

そんなふうに私の中に あなたへの愛があふれていても

私から去って行くのね


Rap

pain that I'm trying to fight

but can't hide my feelings inside

流れる涙を隠しながら 雨の中歩いて行く

忘れられない思い出に 胸が痛むだけ

一瞬でお前に対する全てを

洗い流してしまうことは できないのか


*repeat



コヨーテの古いアルバム「必立」からの1曲です。なにかとシンジ(ボーカル)の体型やダイエットのことばかりがフォーカスされるグループですが、歌唱力は確かです。タイトルは「哀恋」と書きますが、こんな言葉日本語になかったようなので「悲しい恋」にしました。

当初、「死んでも俺を探すな」なんて、ずいぶんな物言いだなあと感じたのですが、K-popの歌詞はわりとこんなのが多いですよね。消えてしまえ、とか。

次は新しめでハッピーな曲にしないと、ドロドロが感染しそうです。



お酒を飲むとき、韓国の人たちはやたらと乾杯しまくって「ワンシャッ!」(ワンショット)のかけ声とともに一気飲みをしている姿を、韓国のみならず日本国内の焼肉店などでも見かけることと思います。

乾杯は会の最初だけ、の日本と異なり、目があったらワンシャッ!話に詰まったらワンシャッ!見つめ合って素直におしゃべりできなくなったらワンシャッ!


酔えなきゃお酒の意味がない、そんな宴席でも、目上の人がいればその人の反対側に顔を向けお酒を飲むことを忘れない冷静さも持ち合わせているのが不思議なくらいです。


色々な一気飲み方法があるようですが、注目すべきは

ラブラブラブ・ワンシャッラブラブ

恋人同士が腕組みをする形でお互いグラスを持ち、かけ声とともに飲み干すのです。

最中は「おおお!」と感嘆し、飲み終わったら念のため「ポッポヘ!」(鳩山にほっぺにチューしろ!)と言ってあげましょう。ルールです。

一体だれが始めたのやら皆目見当もつきませんが、やってる本人達はいたって満足そうであります。

いやはや、ちょっと所要でハワイに行ってました。

色々アクシデントもありましたが、良いこともいっぱいありましたよ。


ハイウェイで虹をみました。

ハワイで虹を見ると幸せが訪れるのだとか。


数少ない読者の皆様にハッピーのおすそ分けです。




よーーーーく見ると手前にもう1本虹がかかってるんです。


皆様が二重にハッピーになれますように。

独特の猥雑さを払拭する狙いがあるのか、照明はわざとらしいまでに煌々と人々の顔を照らし出している。

ここには国籍も宗教も異なる人種、もちろん善人も悪人も、誰もが落ち着かない目をして蠢き、ひしめき合い、また放たれて行く。


私はブランドもののポーチの中身をもう一度確認した。

(大丈夫。これさえあれば最低限の身分は保証されるのだから。)

右腕の震えを押さえ込むように重い荷物を引き上げると、カウンターへ差し出す。敢えて言葉を発するべきではないだろう。ここではどんな詭弁も通用しないことは私のような経験の浅い女だって知っている。

「お前さんはあっちのゴツいヤツんとこへ行きな。こいつはここじゃあ通せねえ。」

気分の悪い汗が背筋を伝った。


ゴツいヤツ、と呼ばれたそいつの腰には遠目にも武器だとわかるものが下がり、私が近づくにつれ露骨に値踏みをするように帽子を指で押し上げた。

「そいつをここへ出しな。」

「それ」は翌日の宴にはかかせないものなのだ。こいつらにかすめ取られるわけにはいかない。

気がつくと私の背後にもう一人、屈強な男が立っていた。幸い面は割れていない、それに私にはポーチの中身がある。それでもなお背後に近づく人間に気がつかないとは!

(なんて迂闊なの!)

内心とは裏腹に笑顔だけは絶やさないのは悲しい習い性だ。

「ねえさん、コイツぁマズいぜ。」


昔、そう、もう忘れてしまうほどに昔、女だてらにこんな場所をうろつく私に苦言を呈した男がいた。ふと、その男の言葉を思い出す。

武器はお前自身だ!


「ねぇん、お兄さん達、赦してよ。初めてで知らなかったのよ~。ほんとよ、この他にはなぁんにも持ってないの。お金ならちょっとはあるの!待って、いくら払えばいい?」

たどたどしい韓国語で媚態を作り、息がかかるほど近くまで身を寄せる。

(ダメ?!)

覚悟を決めた一瞬の後、ヤツラは私との間合いを計ると苦笑しつつこう言った。

「今回だけだぜ、ねえさん。ホラ、行きな。」

「ありがと!顔を覚えておくわ。See you!」


外は年末の喧噪とけばけばしいネオンが雨に濡れていた。

結局のところ、私は嫌いではないのだ。ここが。




ソウルに入国する時、私の予備知識が古かったのか規定を若干オーバーしたお酒を持ち込んでしまい、税関で2,3質問されたあと許してもらったっていうだけの話です。ソウルの税関職員もアタシの媚びを買ってくれるようななまっちょろい皆さまではありませんので、誤解なきよう。


どんなにこちらが理解したつもりになって、どんな国で仕事をしても、それなりに現地のやり方や作法などに戸惑ったり憤ったりすることはあるのは世の常です。

韓国の企業で働いている友人からしょっちゅう聞かされる愚痴があります。


「やっつけ仕事」

「調子に乗る」


・・・あと何でしたっけ。

数年前はまとめてたんですけどね。私、タチ悪いです。


そんなことを韓国の日本語ができる友人に話したところ、おもしろそうに聞いた後の一言。


「ねーtomoちゃん、知ってる?その言葉全部、韓国語にはないんだよ。あははー!!」


一番必要な言葉がないとは!

オレ、次元大介。流れ者風射撃の名手。

ちょっと気が向いたんで戻ってきたぜ。とは言え、給弾しただけなんで、これもオレのマグナムの弾数しか連載しねえ。場合によっちゃタマ切れの前にトンズラこくかもしれねえな。


初心者によくある質問として日本語の「いつも」に当たる、ハンサン」「オンジェナ」の違いは何かってのがあるな。お、オレ今日は先生らしくねーか?

辞書を見ても、韓国人に聞いても「違わねえ」とか言われて、使い時を間違ってるヤツも多いからな。この際だから言っておくが、全然違うぜ。


「ハンサン」・・・「~するときはいつも」。つまり「夜寝る前にいつも日記を書きます」な。

「オンジェナ」・・・「常に」。「離れていても母はいつも心の中にいます」だ。


だから、「ハンサン ノエ ギョッテ イッソヨ」(いつも側にいるわ)は大丈夫だが「オンジェナ ノエ ギョッテ イッソヨ」(いつ何時も側にいるわ)じゃ、ストーカーだってこった。

オレはハンサン、バーボンを飲み、オンジェナ周囲を気にしている。


ま、タマが切れねえうちは連載するつもりだ。よろしくな。