イサベラ江川和子 葬送式挨拶(一部)

 

 

ここにおいでの皆様は生前の江川和子とは、親しくしていただいた身内の方ですので、型どおりの挨拶をするつもりはありません。

 

母は生前、どういうお葬式にしたいか、というぶしつけな私の質問に対して、「パパの時のように教会で賑やかに送って欲しい」と申しておりました。

必ずしも教会生活を信徒の皆さんと共有していたわけではありませんでしたが、最期は皆さんと楽しく過ごしたかったようです。

阿佐ヶ谷聖ペテロ教会の皆さんは母のためにお祈りをしてくださっています。母が希望して出来なかったことを覚えていただければ幸いです。

 

新型コロナウィルス感染症はそんなささやかな願いも打ち砕いてしまいました。本来であれば、私の隣にいるはずの妹は遠く英国ロンドンからこの葬送式に参加してくれています。母の近くに居られないことを「日本にいないことがこんなに辛いとは思わなかった」と申しております。

 

8年前に長年住み慣れた阿佐ヶ谷を引き払って、ここ府中に引っ越してきてからしばらくの母にとって、辛い日々だったことと思います。

しかし、家族みんながなんとか母を支えたことで、母の晩年は豊かになっていきました。その証拠に母を介護してくださったヘルパーさん方からも、穏やかな「かわいいおばあちゃん」として見てくださるようになったのです。

 

家族葬という形を必ずしも素直に受け止められなかった私に、その見方を変えてくださったのはクロフツ司祭です。数々のご経験から盛大な葬送式が必ずしも家族にとって最善の形ではない、と言うことを教えてくださいました。家族が個人を送ろうという気持ちのこもった葬送式の新しい形は、家族によるこのような葬儀になるかもしれません。

 

生前、貴重な時間の中で母との時間を作ってくださり、寄り添ってくださった皆様にこの場を借りまして厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。

 

                    2020年8月17日  親族代表 江川栄一