草苑保育専門学校 2015年7月26日説教(下)

(前回からの続き)

70数年前、第2次世界大戦中の日本ではお寺の鐘、家庭のミシン

や鍋(なべ)釜(かま)まですべての金属を供出させられました。

聖句とは逆に「鋤(すき)を剣(つるぎ)に、鎌(かま)を槍(やり)に

打ち直せ」とばかりに戦車や軍艦や戦闘機を作るため、国民生活

を犠牲にしたのです。しかし軍事力を持つほど平和は遠ざかって

行きました。


日本が戦争に負けて戦後、学校で、新しい教科書が配られました。

『あたらしい憲法のはなし』という題でした。日本の国の新しい

憲法ができて、その中には二度と戦争をしないという約束がある

ということが書いてありました。本の中に戦車や軍艦や戦闘機を

るつぼで溶かして、新しい列車や客船を作るさし絵がありました。

戦争の時とは逆に、これからは人を殺す武器や兵器をなくして、

人を生かし暮らしを支えるものを作りだすのです。それが新しい

日本の約束なのでした。※


これは日本国憲法9条にかかげられた戦争放棄・平和主義

の精神です。


この平和がいま、多くの憲法学者が憲法違反と指摘する

「安全保障法制関連法案」により危機を迎えていることを皆さん

もニュースや新聞でご存知でしょう。多くの人々が心配し、宗教

教団も声明文を政府に提出しています。


軍事力を持てば持つほど、平和は遠ざかります。争いによって平和

は保たれません。平和こそ、私たちにとって欠かすことのできない

ものです。


今年は戦後70年です。皆さんのおじいさんやおばあさんがご健在

でしたら、ぜひ今年の夏に戦時中や戦後の苦しい時代の話を聞いて

ください。きっと命の大切さ、自分が平和な時代に生きていること

の幸せを感じることができるでしょう。(以下略)


※注:この段落は、久世そらち『おはなし道具箱2』AVACO 掲載

   「剣を鋤に、槍を鎌に」より引用しました。

夏の花2

〈夏の花2〉


(2015.8.20)