第36回・ぴあフィルムフェスティバル(PFF)の特別企画

世界が湧いた「羽仁進監督特集」

東京国立近代美術館フィルムセンターで2014年9月21日~24日

まで開催された。


羽仁進監督といえば、歴史家・羽仁五郎が父、

婦人運動家・羽仁説子が母として有名で、

1970~80年代当時ブラウン管でもその姿はよく見かけたのだが、

TV番組は別として映画を見た記憶はなかった。

(羽仁五郎は、私の大学生当時大そうな著名人で、立教大学

での講演会で話を聞いたことがある)

今回PFFの一環として取り上げられたことを嬉しく思い、監督の

映画をできるだけ鑑賞したいと、PFFアワードの審査が一段落した

後、連日会場に通った。


『教室の子供たち』『絵を描く子どもたち』が上映された9月21日

には、ゲストとして批評家・金子遊氏とフィルムセンター主任

研究員の岡田秀則氏がステージに上がり、

2本の映画について、熱く語られた。


羽仁進作品について語る岡田秀則氏(左)と金子遊氏
〈羽仁進作品について語る岡田秀則氏(左)と金子遊氏〉



2本の映画はもともと小学校の先生のために岩波映画が製作

した。『教室の子供たち』には―学習指導への道―、

『絵を描く子どもたち』には―児童画を理解するために―という

副題が付いており、いかにも文部省が委嘱した映画らしいのだが、

羽仁進監督は隠し撮りをほとんどせず、カメラマンが教室に

入って子どもたちにも受け入れられたところを見計らって自然に

撮影している。

昭和20年代のみんな貧しかったが明るさと希望に燃えていた

人々…特に先生や子どもたちの服装に時代を感じさせる。

作り物には見えない子どもたちの自然な動作や表情が印象的だ。

ちなみに後者は大変好評だったので、一般の人々に向けて

映画館でも上映され人気を博したのだという。

(一部敬称略・2014.10.25)