季節外れの蚊に





安眠妨害ならぬ


読書妨害された。



携帯小説読んでたら、右の中指と左手刺された。

中指は腫れてるし。







そしてノーマットのスイッチを入れて、


あたしは寝始めた。








しかし、ふと思った。



季節外れの蚊め…







よくもあたしの眠り(寝て無い)を妨げやがったな…。






あたしは蚊が大嫌いだ。


特に睡眠中に羽音で起こされるのが大嫌い。



布団の中でそう考えているうちに、苛々は増幅した。





そして思った。





ヤツはまだ近くにいるんじゃないか!?




ヤツの羽音のタイミング、出没時間から、ヤツの潜伏地はあたしの部屋だ。



しかし気付かれてはいけない。



あたしは携帯の明かりを点けた。



サイドボタンを押すと、YUIが流れ始めた。


間違えてミュージックプレーヤーのボタンを押したのだ。



爆音で流れるYUI。



それはあたしを、またもや苛つかせた。




やっと明かりが点いた。


あたしは寝転んだまま、辺りを照らした。










そしてヤツを見つけた。



あたしは起き上がる。



ヤツにこれみよがしにライトを照り付ける。


しかしヤツは動かない。



ヤツを目の前にして、あたしは色々考えた。


ヤツは壁にいた。


こんな時間だ。

ヤツを叩けば音がするだろう。

誰かを起こしてしまうかもしれない。



しかしヤツに対して最大の感情は、



『マジで殺る(ヤル)!!確実に殺る(ヤル)!!』



ただそれだけだった。





バシンッ————



夜中には不向きな音と共に、ヤツは人生(虫生)を終えた。



あたしは


『してやったり!!』


と一人で達成感に満ち溢れていた。


ティッシュにヤツを擦り付けると、ヤツからは血が検出された。



やはり犯人(犯虫)はヤツだった。



あたしは満面の笑みで、父に勝利を告げた。



そしてあたしはヤツをゴミ箱という名の敗北地へと投げ捨てた。





安息を手に入れた今、

あたしは


『明日1時間目体育じゃーん』


なんて焦りつつ、眠ろうではないか。




こうしてあたしの

秋の夜長は過ぎていくのであった。





完。