さて、大人のJ-popカレンダー 4月。

今回も監修解説は、田家秀樹さんです。


今回のテーマは、だいたい想像つきますよね?

ただ、レコード会社は限られてますので、あれないこれない…があるかも知れませんが、その分、珍しい選曲があるのもこのシリーズのお楽しみです。







DISC① / 桜ソングと春の歌



1、「桜」 / 川本真琴

2、「さくら証書」 / 八神純子

3、「桜前線」 / 小柳ルミ子

4、「春雷」 / ふきのとう

5、「桜ヶ丘」 / 木根尚登

6、「さくらの花の咲くころに」 / 渡辺美里

7、「サクラ色」 / アンジェラ・アキ

8、「ひらり―SAKURA―」 / 中森明菜

9、「桜雨」 / JUJU

10、「桜」 / 河口恭吾

11、「夜桜お七」 / 坂本冬美

12、「桜」 / 早川義夫

13、「さくら」 / 高野健一

14、「桜の歌」 / 藤澤ノリマサ

15、「春を愛する人」 / GLAY





1、「桜」 / 川本真琴

(解説抜粋)桜ソングは、シンガーソングライターにとっては自分の個性を発揮するこれ以上ないテーマと言えそうだ。この曲は98年リリース。"ひとりぼっちになる"ことの象徴としての桜。情緒的な感傷や思い出に浸らない個性的な表現。ピアノの弾き語りで歌う姿ともどもインパクトがあった。  私は女性版"岡村靖幸"みたいに思ってました。実際プロデュースにも関わってましたしね。




2、「さくら証書」 / 八神純子

震災を機に、アメリカより帰国。2012年リリース。作詞作曲に本人と大江千里の名があります。海外での子育てを終えた実感が歌に。ただ、卒業するのは子供だけでなく親も一緒、という視点が面白いし、共感する方も多いでしょうね。相変わらず歌うまいなぁ。




3、「桜前線」 / 小柳ルミ子

桜ソングって、70年代でもかなり探さないとないくらい新しいものらしい。まだ、「同期の桜」的な戦争のイメージが残っていたかららしい。ジェネレーションギャップはここにもある。小柳ルミ子さん、声の艶は無二のもの。サッカーもいいけど歌を唄う姿をもっと見たいですね。




4、「春雷」 / ふきのとう

札幌出身のデュオ。でも特に沖縄で根強い人気があったそうだ。79年リリース。1年で250本も廻るようなライブバンド。タイトルのつけかたが古い感じというか、でも、最近の桜ソング連発の中で、逆に趣深いなぁとも思いました。サビを聴いて、あー知ってる!って歌でした。
"♪はーるの かみーなーりーいいに〜"




5、「桜ヶ丘」 / 木根尚登

TM NETWORKの木根さん。ソロになるとフォーキーになるんですよね。デジタル一色の中での癒しの存在でした。2007年のアルバム「道」の中の曲。




6、「さくらの花の咲くころに」 / 渡辺美里

桜の歌には別れや旅立ちのテーマが多いが、これはさくらの季節には"思い出してほしい"と願う側の歌。88年アルバム「ribbon」の中の曲。作詞は本人。作曲は先ほどの木根さん。




7、「サクラ色」 / アンジェラ・アキ

アンジェラ・アキさんはアマチュア時代、アメリカにいた。ワシントンD.C.のポトマック河畔に植えられた桜を見ながらいろいろ葛藤していたそうだ。この2007年シングルは当時を思って書いた曲だそうです。




8、「ひらり―SAKURA―」 / 中森明菜

2016年シングル。51枚目。歌詞がすごく和風情緒で雰囲気があるんですが、なんと作詞はポルノグラフィティの新藤晴一。中森明菜さんはずっとアメリカ暮らししてたんですね。でも一聴してすぐわかる歌い方。大事な個性です。




9、「桜雨」 / JUJU

ここ3曲連続でアメリカ暮らしだったアーティストが紹介されるのは偶然?だからこそ感じる日本情緒もあるかも知れませんね。2004年デビュー、2010年シングル。散ってしまう桜の儚さと雨に流そうとした悲しみ。雨に打たれる桜の風情。作詞はR&Bブームの仕掛人、松尾潔。




10、「桜」 / 河口恭吾

桜がテーマの歌は、ソングライターの登竜門の一面がある。なかなか結果が出ず、発売元のレコード会社は解散。それでも有線の問い合わせチャート独走、再デビュー、大ブレイクといういきさつを持つ。桜の季節よくかかるよなぁ。




11、「夜桜お七」 / 坂本冬美

(解説抜粋)"櫻の樹の下には屍体が埋まつてゐる"というのは作家、梶井基次郎の有名な一節。月明かりに浮かび上がった夜桜の妖しさに不穏な色気を感じるのは作家だけではないだろう。94年に発売されたシングルは歌謡史に残る劇的な歌。作詞は歌人の林あまり、作曲は三木たかし。若草恵のアレンジもジャンルを超える。"お七"は江戸時代に恋人に会いたいと放火事件を起こした八百屋お七だ。これこそ日本の歌だ。
…傑作ですね。背景を知って、なおさら。




12、「桜」 / 早川義夫

94年アルバム「この世で一番きれいなもの」の中の曲。つくづく、このコンピレーションに出会わなければ一生聴かないであろう曲。アルバムの中の曲だし。こうやって紹介することに意義があるんだろうな。魂と会話するような深淵な歌は他を寄せ付けない。しばらく音楽から身を退いてたんですね。たしかこのアルバムに、桑田佳祐も曲提供していたような。「アメンボの歌」だっけ。




13、「さくら」 / 高野健一

この歌詞に出てくる"君"や"さくら"は犬だそうだ。桜の季節に生まれたから思い出す。2007年シングル。




14、「桜の歌」 / 藤澤ノリマサ

(解説抜粋)J-popの面白さはジャンルがないことだろう。欧米のシーンでは考えられない自由なミクスチャーが音楽の楽しさを倍加してくれる。父が声楽家、母はカラオケ教室の講師という藤澤ノリマサが掲げるのはポップスとオペラを融合した"ポップオペラ"。これは2011年シングル。チャイコフスキーの「くるみ割り人形」がフューチャーされている。"咲き誇れ"という見事な歌唱が桜ソングのフィナーレを盛り上げてくれる。
…今回のCDで一番"ハッ"とした歌でした。これは面白い!もっともっと有名になれ!




15、「春を愛する人」 / GLAY

監修の田家秀樹さんは、GLAYがかなりお気に入りのようでよく出てくる(笑)
TAKUROがアイスランドを旅行した時に感じたことがモチーフになったという。96年のアルバム「BE LOVED」の中の曲。なぜ知ってるのかと思ってたらこのアルバム聴いてたな。ファンの間では絶対的な支持がある曲だそうです。





今回のピックアップ



藤澤ノリマサ / 「桜の歌」

聴いたことない方、是非。なんか新しい感覚と、背中を押してくれるようなリズムと荘厳でポップなオペラに"ハッ"とするはず。





春眠暁を覚えず

授業中、仕事中の眠たい言い訳でこの言葉を。
頭、叩かれると思いますが…(^^)