ユリを育てると聞くと、多くの方は球根を購入して栽培するものだと考えると思います。そのため、種子から育てて花を咲かせるまでのイメージは、なかなか湧かないかもしれません。今回は、ユリが種子からどのように成長し、開花サイズに至るのかをご紹介します。
この種子を秋に土に蒔くと
↓
翌秋ごろまでにこのような小球を形成します。⤴︎
(アジアティックハイブリッド等の地上速発芽性であれば播種より2週間ほどで出芽が完了しますが、オリエンタル等の地下遅発芽性のものは、球根を地下で形成してから出芽します。)
翌春⤵︎
播種2年目でやっと出芽します。
これだけ見るとユリには見えにくいですよね。
播種3年目⤴︎
2年目より大きな葉を1から3枚程度展開するようになります。茎はまだ出ません。
播種4年目
やっと茎が出現。茎の出現により葉が何枚か展開されるので、3年目とは比べ物にならないほど大きくなったように見えます。蕾は出ません。
播種5年目
5年目にしてやっと開花しそうな株が出現します。
この株はギリ開花できるものですが、生育が遅いものは開花に至りません。私の栽培方法では実際に5年目で開花するものは30%程度です。
播種6年目
安定して開花できるサイズになります。
1年目にだいたい100株あるとすると、ここまで病気や枯死で消えていくものを除くと、最終的に生き残るのは10〜20株程度です。この長い栽培の過程で過保護に栽培すると結果的に弱い遺伝子を残すことになるので、無病で生育が早く強いものだけを残します。そのためユリは蒔きすぎるくらいがちょうどいいのです。
種から花が咲くまでの時間には、ユリならではの奥深い魅力があります。
ぜひ、みなさんもその成長の過程を感じてみてください(5年はかかるけど)