今日はアジアティックハイブリッドの紹介をします。


アジアティック・ハイブリッドは日本を原産とするスカシユリエゾスカシユリ、ヒメユリが中心となって育種される雑種グループです。日本原産種以外にもコマユリ、イトハユリ、マツバユリなどの中国原産種とヨーロッパ原産のL.bulbifeeum等のsinomartagon節のユリらも用いられています。芳香はなくむしろ臭いものもあります。一般的にこのグループはまとめて「スカシユリ」と呼ばれています。しかし原種のスカシユリの遺伝子を含まない品種もこのグループには含まれますので「スカシユリ」という呼び方は適していないと思いました。


‘イエローココット’

グループ:AH


2010年に登録された雄性不稔系統の品種です。似た品種として'オレンジココット'がありますが、そちらの方が古い品種です。2010年あたり以降で雄性不稔系統の育種は随分と発達したと思います。ここ最近2020年あたりになっても再び多くの雄性不稔の品種が流通しています。







‘オレンジピクシー’

グループ:AH


1973年に誕生したかなり古いユリです。矮性で外観はエゾスカシユリに似ます。栽培はかなり容易です。





‘イーグルアイ’

グループ:AH


ナメクジの食害で花被縁が残念なことになっていますが少し変わったユリだということは分かりますよね。花被片が固く短いです。葯が退化した雄性不稔品種。




‘イージーバニラ’

グループ:AH


八朔の果実のような透き通る黄色です。通常は開葯しません。





‘イージーウィスパー’

グループ:AH


クリーム色とピンクのグラデーションが可愛らしいです。イージーシリーズの中でも小輪です。




‘シャダイ’

グループ:AH


高草丈の中大輪の典型的なアジアティック品種。





‘シークレットキス’

グループ:AH


畑に植えてみましたが暑さにかなり弱いようです。葉が黄化して花もまともに咲きませんでした。





‘ベントレー’

グループ:AH


八重の雄性不稔品種。八重の雄性不稔アジアティックは雄蕊が花被に変わりずらいのですがこの品種は花被になりやすいです。





‘アプリコットファッジ’

グループ:AH


花糸がぐにゃぐにゃと湾曲し、花被も短いのでちょっとおかしな品種です。最近ピンク版のこの形の品種が海外で出たので驚きました。






‘ウィスラー’

グループ:AH


2010年に登録された品種です。最近日本でも流通するようになりました。派手で好きです。






‘ダブルトラブル’

グループ:AH


「ダブル」なので基本が八重なのですがうまく退化できてませんね。育種の環境と流通された環境が異なることで起こる問題の一つですね。





‘ピエトン’

グループ:AH


2色咲の小輪のユリ。花糸が曲がりやすいです。





‘イージースポット’

グループ:AH


'スイートザニカ'の雄蕊を退化させたような品種です。L.lankongenseを感じました。






‘バルドイーグル’

グループ:AH


八重咲スカシユリとして流通していますが日本でまともな八重になることは滅多にありません。この品種は植物園でも見る機会が多くなりましたが昨年秋に流通した球根のほとんどまたは全てがウイルス病に感染しているレベルでした。今年訪れた植物園で同品種を1000球レベルで展示されていましたが全て発症していました。ホームセンターの八重咲スカシユリミックスより開花したものも発症しています。おそらく栄養繁殖の段階で誤って汚染株を使ったのだと思います。






‘イージーラブ’

グループ:AH


小中輪のオレンジの雄生不稔品種。この鉢のユリはネズミに食べられていて球根がついていませんが全て開花しました。球根がなくても蕾と上根さえついていれば開花は問題ないようです。




まだまだ咲いていましたが今日はここまで👋