「ユリの帯化現象は球根の大きさに依存するのか」

という疑問のもとで帯化しやすいコオニユリ(白銀)を用いて、小さな球根でも帯化するのかを確かめました。


帯化とは茎頂分裂組織の異常によって起こる奇形のことです。症状として茎や葉、花などの器官が増殖したり太くなったりします。多肉植物での帯化はよく綴化と呼ばれています。十分に肥大した株に対してよく起こる現象と言われています。


コオニユリの花芽分化は発芽直後に始まります。休眠中に花芽分化が始まるものは今更球根の大きさを変えても花の数(帯化するかどうか)が変わらないかもしれないので発芽直後に花芽分化するコオニユリを用いています。

11/29スーパーでゆり根を買ってきました。



11/30

鱗片を剥いで開花輪数が1〜2輪程度ほどの大きさになるよう調節しました。

瓶に水を入れて水耕栽培とします。

実験には2球(分球寸前で成長点の合計は4つ)を用いました。


02/03

結果

分球が完了し4球に分かれましたが、4球のうち1つだけ帯化しました。左から2番目が帯化しており茎は平らで成長点も増えています。


通常↑

成長点が1つ


帯化↑

成長点が2つ





また、今回の実験に限らず球根が小さくても帯化現象は過去によく起こっていました。この成長点が増殖する帯化現象はコオニユリに限らず一部のOTハイブリッドなどでも確認されましたが、コオニユリほどの頻度ではありませんでした。この現象が遺伝的に固定されて枝分かれするユリを作出するきっかけになれば面白いと考えています。


話が少し逸れましたがつまり、この実験から言えることはユリの帯化現象は球根の大きさに依存しないということです。今回の実験ではコオニユリを用いましたが他のユリは帯化の確率が低いので実験するのは難しそうです。故にこの結果はコオニユリのみに通用するのかもしれないということに注意が必要です。